航空機製造大手ボーイングと中国商用飛機(COMAC)は11月1日、商用航空機産業の長期的で持続可能な発展に向けた調査・研究に関する提携強化で合意したことを発表した。両社はすでに2012年3月より、燃費効率改善、バイオ燃料の利用や効率的な航空交通管理システム(ATM)導入による温室効果ガスの削減といった分野で共同調査・研究を進めており、すでに国内外の12の研究パートナーとともに17件の研究プロジェクトを実施してきた実績がある。その中には、地溝油(再生食用油)をジェット燃料に再利用する施設の開発や、3つの航空交通管理システム開発といった成果も出ている。今回の提携強化発表により、さらに協働分野を広げていく。
提携内容の一つとして、まず両社がすでに設置している共同研究拠点「ボーイング-COMAC 航空エネルギー保全・排出削減(AECER)テクノロジーセンター」を「ボーイング-COMAC 持続可能な航空テクノロジーセンター」に改称し、同拠点で今回提携強化が発表された6分野での共同R&Dを行っていく。6分野とは、
- 持続可能な燃料開発に必要な技術、及びそのメリットの評価
- 航空交通管理システムとその応用
- 持続可能な航空機の製造(リサイクル素材の使用拡大など)
- 環境や旅行者の高齢化に配慮した機内環境改善の技術
- 航空業界におけるエネルギー保全、排出削減に向けた業界基準または国際基準の策定
- 機内及び地上オペレーションの安全性の改善
それに加え両社は、新たに合弁で中国浙江省・舟山市に工場を建設し、中国市場向けに出荷されるボーイング737のインテリア整備、機体塗装を行っていく。
中国の航空業界は更なる拡大が予測されており、中国民用航空局によれば、2016年の旅客者数は4億8500万人、2030年には15億人にまで膨れ上がる。ボーイング社は中国市場において2035年までに6,800機以上の航空機需要があると見込んでおり、中国はボーイングにとって重要な市場となっている。
【参照ページ】BOEING, COMAC EXPAND COLLABORATION ON ENVIRONMENTAL EFFICIENCY AND SUSTAINABLE GROWTH
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら