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【イギリス】メイ政権、児童肥満防止のため全業界の砂糖含有量の20%削減を要求 2017/02/02 最新ニュース

 英国のメイ政権は1月20日、児童肥満防止のために砂糖使用量を削減していく政策骨子を発表した。この日、英国の首相官邸、内閣府、保健省、財務省が連名で、砂糖使用量の削減プログラム方針と2020年までの目標を発表した。肥満が深刻な社会問題となっている英国では、2018年度から一定量の砂糖含有量を超えるソフトドリンクを対象に「砂糖税」を導入することがすでに決定している。メイ政権はこの政策を一段と進め、小売業や外食産業にも砂糖使用量削減を求めていく考えだ。

 英国では2歳から15歳の児童の約3分の1が肥満と診断されており、砂糖の大量摂取が原因のひとつとされている。そのため、保健省傘下の行政機関イングランド公衆衛生サービス(PHE)が中心となり、小売業、食品メーカー、レストランやカフェなどの外食産業、テイクアウト業界等、児童の食に関連する全ての業界を対象とし、2020年までに児童の砂糖摂取量を20%以上削減していくことを呼びかける。初年度となる2017年の目標は5%削減とする。

 具体策として、まず、シリアル類、ヨーグルト、ビスケット、ケーキ、菓子類、ペストリーなどの朝食用菓子パン類、プリン、アイスクリーム、ジャムなどのスプレッド類など、子どもの砂糖摂取に大きな影響を与えている9品目に対し、糖度抑制や容量・サイズの縮小、低糖品への切り替えを促していく。PHEは、上記の食品に対して製品100g当たりの砂糖削減目標とカロリーの上限値を政府が設定するよう勧告、2017年3月には今後4年間の商品品目別削減目標が発表される予定。将来的には、乳製品など9品目以外の食品・飲料品をも対象にしていく予定。PHEは、実効性を担保するため、2015年のデータを基準に対象品目の販売量と砂糖含有率を追跡調査し、半年毎に進捗状況を公表する。2018年9月と2020年3月には、業界の削減策に対する有効性評価を実施し、「砂糖税」の対象拡大の要否を判断する。

 英国政府は、砂糖以外でも食品分野で政策を実行に移している。塩分削減プログラムは継続、2017年からは総カロリー摂取量の削減目標の設定を予定している。飽和脂肪についても、2017年のScientific Advisory Committee on Nutrition(SACN)の勧告に沿って今後、対応策が検討される予定だ。

 砂糖と公衆衛生をめぐる国際的な動きでは、2016年10月に世界保健機関(WHO)が加盟国に砂糖税の導入による甘味食品・飲料の消費量減少を提言している。一方で砂糖税の施行を含むこれら政府の新戦略に対し、英国飲料業界は、国内の景気の不透明化を訴えている。飲料業界は、砂糖税は大量失業を引き起こすだけで、肥満率に何らインパクトを与えないと反発している。

【参照ページ】Childhood obesity: a plan for action

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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