【デンマーク】国営DONG Energy、エルステッドに社名変更。石油ガス事業の全売却完了 2017/10/16 最新ニュース

 デンマークの国営電力会社DONG Energyは10月2日、社名を「Ørsted(エルステッド)」に変更すると発表した。株主の承認を得るため、10月30日に臨時株主総会を開催する。

 社名変更の背景には、同社の事業ポートフォリオの大幅な変更がある。現社名「Dong」は、Danish Oil and Natural Gas(デンマーク石油・天然ガス)の頭文字を取り命名されたが、同社は過去十数年、再生可能エネルギーの分野に大幅に投資する一方、既存の石油・天然ガス事業の売却を進めてきた。今年9月29日には最後まで残っていた石油・天然ガス採掘事業子会社「DONG E&P A/S」の売却を完了し、石油・天然ガス事業がなくなった。そのため、実態に合わないとし、社名変更に踏み切った。新社名は、電磁気学の基礎を築いた19世紀のデンマーク物理学者ハンス・クリスティアン・エルステッドに由来している。

 同社は、かつては欧州有数の石炭依存電力会社だったが、2023年までの全廃をすでに発表。現在は、洋上風力発電が主力。一方で、風力発電の発電コストが減少しているため、利益は大きく増加している。二酸化炭素排出量は2006年比ですでに52%削減。2023年までに96%削減という驚異的な目標を掲げている。最近では、再生可能エネルギーの普及に不可欠なバッテリー分野に大きく投資しており、米シリコンバレーにバッテリー分野のベンチャーキャピタルも立ち上げている。但し、天然ガスは環境負荷軽減に貢献するとし、天然ガスの顧客への販売事業は継続する。

 DONG E&P A/Sを買収したのは、英化学大手Ineos。Ineosは1998年設立の比較的新しい化学メーカーで、コモディティ化した石油化学事業を世界大手から次々に買収し急成長。すでに世界トップ10入りしている。一時は租税回避のためスイス・ロールに本社を移したが、2016年には再び英ロンドンに本社を戻した。買収金額は、無条件支払が10億5,000万米ドル。それに加え、フレデリカ工場関連の偶発的対価が1億5,000万米ドル、ローズバンク地区の開発関連の偶発的対価が1億米ドル。最大で13億米ドル(約1,500億万円)。事業売却のファイナンシャル・アドバイザーは、JPモルガン。9月29日に売却は完了し、同社社員430名がIneosに移った。

 DONG Energyは、2016年6月9日にナスダック・コペンハーゲン市場に上場。上場時の時価総額は982億クローネ(約1兆6,000億円)。現在の株主構成は、デンマーク政府の出資比率が50.1%で残りは民間企業や他の投資家が保有している。上場前の株主構成は、デンマーク政府58.8%、ゴールドマン・サックスの投資子会社New Energy Investmentが17.9%を保有していた。上場時株価はゴールドマン・サックス投資時の2倍をつけ、上場以降は株式を徐々に売却し、現在の持株比率は2.7%。10月11日には、その2.7%も全て売却すると発表した。

【参照ページ】We are changing our company name to Ørsted
【参照ページ】We complete the divestment of our upstream oil and gas business to INEOS
【参照ページ】DONG Energy enters an agreement to divest its upstream oil and gas business to INEOS
【参照ページ】Goldman Sachs to shed remaining Dong Energy stake

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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