英リスク分析大手Verisk Maplecroftは7月12日、人権リスクの年次白書「Human Rights Outlook 2018」を発表。今後東南アジアで製造のロボット化が進むことで大量の失業が生じ、その結果現代奴隷や労働虐待が多発すると分析した。政府に早めの対応を呼びかけた。
同レポートによると、製造自動化は5大人権リスクの一つ。国際労働機関(ILO)の分析でも、カンボジア、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナムのものづくり従事労働者は、自動化により56%が失業すると分析している。この5ヶ国では、低スキル労働への従事者が多く、自動化が進展することで、現代奴隷や人権侵害、ヒューマントラフィッキングのリスクが高まる模様。これにより、グローバル・サプライチェーンに大きなリスクをもたらす。とりわけベトナムでそのリスクが高い。
同レポートは、5ヶ国政府に対し、将来世代のために製造自動化に備えた高スキル労働への転換、教育を重視するよう提言した。