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【イギリス】メイ首相、国連総会で途上国のCO2削減と気候変動適応で専門性とリーダーシップを強調

 英国のメイ首相は9月26日、ニューヨークで開催された第73回国連総会での演説で、気候変動の悪影響を受けている国々に対し、再生可能エネルギーシステムへの移行を支援するため、1億6,000万ポンド(約237億円)を拠出すると発表した。

 気候変動対策のグローバルリーダーを自認する同国は、1990年以来、CO2排出量を40%以上削減しており、他のG7諸国よりも1人当たりの削減量が大きい。さらに法的拘束力のある目標の設定により、2028年から2032年にかけては、1990年の水準と比較して平均57%、2050年までには少なくとも80%の削減を目指している。英国は、今年すでに全電力量の50%を低炭素源から生成しており、2025年までには石炭による発電を完全に廃止する事にコミットしている。

 英国政府は、2016年から2020年の間に、58億ポンド(約8,599億円)以上の資金投入を行い、これまで培ってきた専門性を、特に途上国での取り組みにおいて共有し、最も被害を受けやすい地域や人びとが強靭性を構築できるような支援を進めてきている。メイ首相の演説は国連事務総長によるCOP24(気候変動枠組み条約・第24回締約国会議)で確認された野心的な成果に向けた努力への呼びかけに呼応した形で行われた。

 今回発表された支援策では、まず、エネルギー市場改革、再生可能エネルギーによる成長への移行、グリーンファイナンス、気候関連の法制に関する英国の専門知識・技術を共有するための支援に6,000万ポンド(約89億円)を投入。

 また、旱魃による影響が最も大きいケニア北部乾燥地帯の最貧層向けに、最終段階である第3期分の資金として9,450万ポンド(約140億円)を拠出する。こちらは英国際開発省(DIED)が主要スポンサーとなっている「飢餓安全ネットプログラム(HSNP)」の一環。2009年から英NGOオックスファム、ケア、セーブ・ザ・チルドレンがケニア政府機関の国家旱魃管理庁(NDMA)等と連携しつつ運営に当たっており、英政府は継続的に資金拠出してきたが、2024年以降はケニア政府がスポンサーとなる。

 サハラ以南のアフリカ地域には、1,500万ポンド(約22億円)を拠出し、企業が農産品を小規模農家から直接購入し、収益を上げるための専門知識と助言を提供する。これにより、180万世帯の農家の収入が増加し、同地域での食糧需要の上昇や気候変動による影響に対する強靭さの構築に役立たせる。

 その他海外イニシアチブでは、国連事務総長主催の2019年9月気候変動サミットに合わせ、「世界適応委員会」を共同議長として開催。ニュージーランドとマーシャル諸島が率いるイニシアチブ「カーボンニュートラリティ連合」にも参加し、パリ協定の目標達成に向けた野心的なアクションを支援する。英国規格協会(BSI)は、サステナブルファイナンスに関する国際規格を検討すつため、ISOのテクニカルコミッティー(TC)を設立する。

【参照ページ】UK expertise to help developing countries tackle climate change and move to cleaner energy
【参照ページ】Evaluation of the Kenya Hunger Safety Net Programme Phase 2
【参照ページ】Green GB Week: Landmark week of action to celebrate Clean Growth

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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