金融庁は3月19日、有価証券報告書の作成・提出に際しての留意すべき事項を発表した。1月31日に改正された「企業内容等の開示に関する内閣府令」の内容を踏まえることと同時に、2018年度の有価証券報告書レビューを踏まえた留意事項を4点伝えた。また2019年度の重点テーマも発表した。
【参考】【日本】金融庁、有価証券報告書の記載事項に関するルールを改正し即日施行。ガバナンスやリスク開示を強化(2019年2月4日)
改正された「企業内容等の開示に関する内閣府令」に照らし、昨年度の適切でないと判断される事例は、
- 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等があるにもかかわらず、その内容が記載されていない事例
- 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等があるにもかかわらず、当該経営方針・経営戦略等又は当該指標等に照らして経営者が経営成績等をどのように分析・検討しているか(例えば、経営成績等の達成度合いや必要な対応)を全く記載していない、あるいは一部の指標についてのみ記載している事例
- 資本の財源及び資金の流動性に係る情報(例えば、重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源は何であるかなど)について、キャッシュ・フロー計算書の要約を文章化したもののほかに、当該事項に関する記載がない事例
- 大株主の状況における発行済株式の総数に対する所有株式数の割合の算定に関して、分母となる発行済株式の総数から自己株式を除いていない事例
また、昨年の事例から「留意すべき」とした事項は、
- 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等がある場合には、その内容について記載する必要がある
- 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等がある場合には、当該経営方針・経営戦略等又は当該指標等に照らして、経営者が経営成績等をどのように分析・検討しているかを記載するなど、具体的に、かつ、分かりやすく記載する必要がある
- 資本の財源及び資金の流動性に係る情報(例えば、重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源は何であるかなど)について記載する必要があり、当該記載においては、単にキャッシュ・フロー計算書の要約を文章化したものだけでは不十分である
- 大株主の状況における発行済株式の総数に対する所有株式数の割合の算定においては、分母となる発行済株式の総数から自己株式を除く必要がある
2019年度の重点テーマとしては、「関連当事者に関する開示」「ストック・オプション等に関する会計処理及び開示」「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する会計処理及び開示」の3つを挙げた。審査対象となる会社には、所管の財務局等から別途連絡が来る。
【参照ページ】有価証券報告書の作成・提出に際しての留意すべき事項及び有価証券報告書レビューの実施について(平成31年度)
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