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【日本】外務省気候変動課、気候変動対策の強化で強いメッセージ発信。関係省庁や企業にも響く内容

 外務省国際協力局気候変動課は5月10日、同省ホームページ上で、気候変動への取組を政府、企業、個人ともに加速させる必要があると訴えるメッセージを掲載した。2019年のG20議長国としても世界をリードする必要があると主張した。外務省の一部局から、極めてメッセージ性の強い発信があるのは極めて異例。外務省の焦りが見える。

 日本は、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)の場で、環境NGOから気候変動対策に消極的な国に授与する不名誉な「化石賞」を2016年と2017年に受賞。背景には、石炭火力発電を推進し、再生可能エネルギー比率が高まらず、国際的にも気候変動分野でリードしきれいない状況がある。日本では長く、環境省と、経済産業省及び外局の資源エネルギー庁の間で、気候変動政策で綱引きを続けてきた。外務省は、国際会議での外交の場で発言をしてきたものの、かつては内政については静観する姿勢をとっていたが、近年は、環境省に大きく肩入れするようになってきている。

 今回のメッセージにおいても、「気候変動問題は,我々の想定を上回って深刻化している。昨年の猛暑,西日本豪雨といった異常気象には,地球温暖化も影響していると気象庁が発表した。その脅威は,遠い世界のことではなく,自分たちの近くまで来ているのだが,果たして,日常生活に落とし込んだときに,どこまで身近なこととしてこの問題を捉えることができているだろうか」と語った。このメッセージは、個人だけでなく、気候変動対策に後ろ向きな政府部局や企業に対して向けられているともとらえることができる。

 その一環として、外務省気候変動課は、今まで省庁の広報としては活用してこなかったYouTuberやクリエイターとの連携に乗り出し、正攻法以外で国民に訴えかけるチャネルも動員。外務省の考え方を、あらゆる手段で発信していこうという意気込みが見える。

 日本政府全体では、首相官邸のパリ協定長期成長戦略懇談会が4月2日に提言をまとめたが、その後に、気候変動対策に後ろ向きな関係者によりトーンダウンした報告書となったことも報道により明らかとなっている。また、その後に発信された日本経済団体連合会(経団連)のエネルギー政策提言書でも、石炭火力発電を止める姿勢は見せなかった。

 G20サミットまで残りわずか。外務省は、気候変動対策を少しでも前進させられるよう、関係省庁や企業に対し懸命に加勢を呼びかけている。

【参照ページ】動画提供に寄せる外務省気候変動課の思い「気候変動問題」

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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