ベトナムの電力・再生可能エネルギー庁(EREA)とデンマーク・エネルギー庁(DEA)は5月16日、ベトナムの今後の発電の方向性を示す初のレポートを共同で発表した。作成は、再生可能エネルギーの普及・推進を狙うデンマーク・エネルギー庁が担当。ベトナム商工省(MOIT)所管の電力・再生可能エネルギー局(EREA)も作成に協力した。
今回のレポートの要点は、今後の太陽光発電や風力発電のコストが劇的に下がっていくという見方を示し、今後のベトナム政府の電力計画において再生可能エネルギーを重視していくことを提言しているポイントにある。近年、ベトナムでは、日本政府や日本企業も支援した石炭火力発電が急増しており、深刻な大気汚染も発生していた。
(出所)DEA
同レポートでは、各電源について2020年、2030年、2050年の見通しを示した。大気汚染対策コストも含めた上でコスト算出をしたところ、2020年時点でも石炭火力発電より、風力発電のほうがはるかに電力コストを抑えることができ、太陽光発電でも同等と算出した。日本政府が推進する超々臨界(USC)の石炭火力発電でも、再生可能エネルギーよりコストが高かった。一方、最もコストが高いのはガス火力発電。2050年時点では、太陽光と風力のコストが圧倒的に最も安くなることも示した。
石炭火力発電やガス火力発電をベトナムに提案してきた日本の戦略にも影響を与えそうだ。
【参照ページ】New technology catalogue to support green transition in Vietnam
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