世界保健機関(WHO)は8月22日、「海洋プラスチック問題」の原因となっているマイクロプラスチックについて、人体への健康リスクに関する初めての見解を発表した。「限られた現時点での情報に基づくと、飲料水に含まれるマイクロプラスチックは現状レベルでは健康リスクにはならないとみられる」とコメント。但し、現時点での情報だけでは不十分であると結論づけ、同分野での調査や研究を大きく進展させることを広く関係者に要求した。
今回の分析では、水道水と市販水の双方を調査対象とし、物理粒子、化学粒子、微生物病原菌の3つの健康リスクを分析した。150μmより大きいマイクロプラスチックは、人体には吸収されない可能性が高く、それより小さいマイクロプラスチックもリスクは限定的と判断した。但し、それより小さいナノレベルのマイクロプラスチックについては、情報が少なく判断しづらいが、健康リスクは大きくなるだろうとした。
今回のレポートは、あくまでも現時点で入手可能な情報をもとにしたWHOの初見。大きなメッセージは、さらなる研究を求めるもので、WHOとして健康リスクがないと最終判断したわけではない。海洋プラスチックに関する健康リスクの研究は、2015年前後から始まっており、大学や研究機関でも始まったばかり。研究者の中には、潜在的にリスク要因があると考え、科学的実験を行っている人は多い。
【参照ページ】WHO calls for more research into microplastics and a crackdown on plastic pollution
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