独電力大手RWEは9月30日、2040年までに二酸化炭素ネット排出量をゼロにすると宣言した。再生可能エネルギーを強化するため、年間で15億ユーロ(約1,800億円)を投資していく。一方、化石燃料による火力発電は段階的に廃止する。
RWEは2012年から2018年までに二酸化炭素排出量を3分の1にまで削減しており、すでに努力を続けている。さらに2030年までに70%を削減する計画で、この目的のため、英国で稼働している同社の石炭火力発電所の最後の1ヶ所も廃止にする。ドイツでの石炭火力発電所も徐々に減らしていく。ドイツでは、政財労の3者が集まったの石炭委員会が同国の脱石炭への道筋を決定しており、RWEもこの決定に言及した。
替わりにRWEは、再生可能エネルギーを国際的に拡大するとともに、バッテリー、バイオマス発電、ガス火力発電も推進していく。RWEは2018年、独電力大手E.ONとの業界再編の中で、E.ONとイノジーが保有していた再生可能エネルギー資産を獲得。同社の再生可能エネルギー設備容量は現在9GWを超え、目下2.6GW分がさらに建設中。洋上風力発電で世界2位、再生可能エネルギー全体でも欧州3位の実力を持つ。
【参考】【ドイツ】電力大手RWE、石炭火力新設への投資停止を検討。再エネへシフト(2019年5月3日)
【参考】【ドイツ】政府諮問委員会、2038年までの石炭火力発電全廃を答申。業界団体や労働組合側も合意(2019年1月31日)
【参考】【ドイツ】電力大手E.ONとRWEが生き残りかけ企業再編。再エネへの転換に乗り遅れ赤字体質化(2018年3月17日)
RWEの現在の経営戦略の一つは「分散化」。政治リスクや規制リスクからの影響を最小限に抑えるため、電源や地域を分散させている。また、発電コストを押し下げていくための「規模」も追求している。さらに、成長を加速するための財政成長も重要している。同社では、再生可能エネルギーからのEBITDAが堅調で、業界再編前よりEBITDAを3倍に伸ばしている。
【参照ページ】The new RWE: carbon neutral by 2040 and one of the world´s leading renewable energy companies
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