国際海事機関(IMO)は10月23日、スペイン・トレモリーノスで開催された閣僚級会議に約120ヶ国が参加。48カ国が2012年10月に採択された「漁船の安全性等に関するケープタウン協定」を2022年10月11日に発効するを約束する「トレモリーノス宣言」に署名した。同協定では、違法・無報告・無規制(IUU)漁業の抑止にもなると期待されている。
同協定は、正式名称は「1977年の漁船の安全のためのトレモリノス国際条約に関する1993年のトレモリノス議定書の規定の実施に係る2012年のケープタウン協定」。長さ24m以上かつ公海上で運航するとして承認する漁船に対し、安全性や耐航性を高めるための設備の実装を義務付けるもの。発効条件は、22ヶ国以上かつ、合計該当船舶数3,600隻を超える国が、批准したときと設定されている。
漁船の安全性については、「1978年の船員の訓練、資格認定および監視の基準に関する国際条約(STCW条約)」が1984年に発効し、1995年に大幅修正されていた。一方、トレモリノス国際条約は1977年に採択されるも、その後発効には至らず、施行のための条文改正を続け、2012年にケープタウン協定により内容が一旦確定した。同協定が発効すると、さらに安全基準が高められることになる。
現時点で同協定を批准している国は、ドイツ、フランス、スペイン、オランダ、ベルギー、ノルウェー、デンマーク、アイスランド、南アフリカ、クック諸島、サントメ・プリンシペ、セントクリストファー・ネイビス、コンゴ、13ヶ国。
今回の宣言に署名した48カ国は、すでに批准した12ヶ国に加え、英国、アイルランド、フィンランド、クロアチア、中国、韓国、インドネシア、バングラデシュ、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィジー、キリバス、バヌアツ、マーシャル諸島、アルゼンチン、チリ、ペルー、エクアドル、ベリーズ、コスタリカ、ニカラグア、パナマ、ウガンダ、ナイジェリア、コンゴ民主共和国、リベリア、中央アフリカ、ガボン、ガーナ、シエラレオネ、ギニア、ギニアビサウ、ナミビア、モザンビーク、トーゴ、レバノン。漁業大国の日本は署名しなかった。IMOは、2020年10月21日まで署名を受け付ける。
【参照ページ】IMO fishing vessel treaty gets major boost at historic IMO-led Ministerial Conference
【参照ページ】トレモリノス条約議定書外交会議の審議結果について
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