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【国際】ブルームバーグ、GWF保有の漁業データを同社端末上で提供開始。投資家の関心高まる

 金融情報世界大手米ブルームバーグは10月24日、国際海洋NGOのGlobal Fishing Watch(GWF)が保有する世界の漁業データのブルームバーグ端末上での提供を開始すると発表した。漁船の操業に関する情報把握は、機関投資家の間でも高まっており、データ需要があると判断した。

 同社は、ブルームバーグ財団の漁業の気候変動対応イニシアチブ「Vibrant Oceans Initiative」を通じ、科学的根拠に基づく海洋保全や漁業マネジメント強化に1億5,600万米ドル(約170億円)を拠出。NGO、地方政府、大学とも協働してきた。

 一方、GFWは、20ヵ国と協働で、漁船の航行トラッキングデータを2022年まで集計、公開するプロジェクトを進めている。すでに、インドネシア、ペルー、チリ、パナマ、メキシコ、ナミビア、コスタリカは、漁船データをGFWに提供もしくは将来提供するとしている。

 海洋生態系や沿岸地域は、乱獲や気候変動の影響に晒されており、金融機関を中心に気候変動の影響を把握する動きが出ている。GFWのデータベースは、国別、漁法別の漁業データを参照できる。漁業データは、大型船が衝突を回避するため位置情報を発信するGPSのようなデバイス「自動船舶識別装置(AIS)」等の複数ソースから集計。GFWが独自開発した機械学習モデルに基づき、船舶がいつどこで漁業を行っているかを可視化できる。また同ツールは、追加機能として気候、天気、サンゴ礁データの地図上への表示や、漁業関連のニュースも提供する。

 ブルームバーグは、幅広い用途での利用を見込んでいる。

保険商品の改善

 保険会社は現在、サンゴ礁やマングローブ等、異常気象に対する自然の障壁として機能する自然資本と沿岸地域のレジリエンスの関係性を考慮した指標とフレームワークの開発に取り組んでいる。今後の気候変動に伴う自然資本への環境影響を可視化できる。

サンゴ礁の観光への貢献の強調

 サンゴ礁は、52か国年間335億米ドルのGDPに直接的に貢献すると推定されている。同ツールは、白化しているサンゴ礁の場所や乱獲発生地域を特定できる。

陸地と海洋のESG分析への貢献

 投資家は関心のある地域の漁業や環境に関するデータと、ブルームバーグのデータを組み合わせることで、幅広いESGファクターを検討することができる。

漁業の理解

 まぐろ漁の規模は、世界で年間420億米ドル以上。同ツールの利用により、商業漁業が実施されている場所、利用される漁具の種類、漁船の国籍等が可視化できる。

貿易と海洋の意思決定の支援

 海洋経済の規模を一つの国と見立てて合算すると、世界で第7位の大きさ。政府と企業の意思決定を支援できる。

【参照ページ】Data On Global Fishing Activity And Ocean Ecosystems Now Available On Bloomberg Terminal

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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