金融庁は11月8日、地域金融機関の存在意義拡大に向けた政策の一環で実施した企業アンケートの結果を発表した。地域金融機関とは、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合を指す。日本の地方社会で経済の地盤沈下が進む中、金融庁は地域金融機関が積極的に金融仲介機能を果たし、地域経済を盛り上げる使命があると位置づけている。さもなければ地域金融機関の経済的な存立基盤がなくなるとの危機感も抱いている。
今回のアンケートは、地域銀行をメインバンクにする中小・小規模企業を中心に約3万社に対し、調査融資先側の企業が地域金融機関の状況について尋ねたもの。金融庁の過去4年間の働きかけもあり、顧客企業の経営上の課題や悩みを「よく聞いてくれる」や「ある程度聞いてくれる」との回答は全体の8割と高く、それに対し分析結果や評価を「よく伝えてくれる」や「ある程度伝えてくれる」との回答も6割ほどあった。
しかし、金融機関が伝えた経営上の課題の分析結果や評価にから「新たな気づきは得られなかった」とする企業が全体の約5割を占め、「従前からの経営課題を再認識した」を合わせると約8割が、新たな気づきがない結果となった。また、融資以外にも、取引先の紹介、経営人材紹介、人材育成、財務内容の改善支援等のサービスを求めていることもわかった。
経営者の生活を脅かす経営者個人が会社の融資の連帯保証人となる仕組み、通称「経営者保証」も、7割弱が提供していた。一方、企業の約半数が経営者保証提供の代わりに金利上昇を許容できると回答した。また、事業承継を予定している企業の割合も全体の約4割あった。
【参照ページ】企業アンケート調査の結果
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