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【日本】日立と三菱重工、南アの石炭火力ボイラー事業損失で和解成立。日立が3780億円負担。最終的な勝者は

 日立製作所と三菱重工業は12月18日、両社の火力発電事業を統合した合弁会社である三菱日立パワーシステムズ(MHPS)の巨大損失係争について、和解が成立したと発表した。日本商事仲裁協会で、仲裁裁判を行っていた。

 今回の和解では、日立製作所が2,000億円の和解金を三菱重工業に支払うとともに、日立製作所が保有するMHPS全株式(保有比率35%)を三菱重工業に譲渡することが決まった。和解金は、1,300億円を現金で、700億円は日立製作所が保有するMHPS貸付金債権で支払う。また、MHPS株式及び関連資産の譲渡価値は、2,480億円で、和解金と資産譲渡で合計3,780億円相当が日立製作所から三菱重工業に支払うこととなった。

 今回の係争は、日立製作所が、2007年から2008年に受注した南アフリカでの石炭火力発電用ボイラー12基(総受注額5700億円)のプロジェクトの遅延。同プロジェクトの案件は、MHPSが発足したタイミングで、日立製作所からMHPSに売却され、三菱重工業側も関与することになった。しかし、同プロジェクトが予定通り進行しないことによる損害を巡って、三菱重工業は2016年3月、日立製作所に約3,790億円を請求。さらに請求額は、2017年1月末には7,634億円、7月には7,734億円となり、両社が紛糾。日本商事仲裁協会に仲裁を依頼することとなった。

 MHPSは、実質的に三菱重工業の出資比率が多い。MHPSは、両社が持つ既存のボイラーやタービン技術での開発、販売を進めていたが、両社の新規技術は、各社内にとどまり、MHPSには共有されてこなかったという報道もある。今後、MHPSを100%子会社として三菱重工業は、MHPSと一体になって火力発電を強化するとみられる。一方、日立製作所は、送配電インフラを強化する動きをみせている。

 石炭火力発電をはじめ火力発電事業の先行きは、世界的な気候変動対策が進むとともに暗雲が立ち込めている。すでに海外大手のシーメンスやGEは、事業を縮小させてきている。メディア報道では、今回三菱重工業の「粘り勝ち」としているが、MHPSを獲得した三菱重工業と、MHPSを手放した日立製作所の、どちらが賢明な判断となるか。

【参照ページ】MHPSの南アフリカプロジェクトに係る和解ならびに個別決算における特別損失および連結決算におけるその他の費用の計上に関するお知らせ

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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