金融世界大手英HSBCは3月27日、新型コロナウイルス・パンデミックと企業株価の影響を分析。今回の危機局面でもESGファクターを考慮した投資はパフォーマンスで大きな成果をあげていたことを明らかにした。
HSBCのアシーム・パウン・ESGリサーチ共同ヘッドは今回、2019年12月10日から2010年3月23日までの株式投資パフォーマンスを分析。売上5億米ドル以上で気候変動関連ソリューションの売上が全体の10%以上という条件で抽出された613銘柄と、ESGスコアあり、かつESGスコアが上位でかつ世界平均を超える140銘柄の2つの群で、他の銘柄とのパフォーマンス分析を行った。
その結果、気候変動ソリューション重視の銘柄群は12月10日からの分析で7.6%のアウトパフォーム、株価の下落が始まった2月24日以降でも3%のアウトパフォームを実現していた。ESGスコアの高い銘柄群は、双方の期間で7%アウトパフォームしていた。
地域別でみると、アジア太平洋地域は、気候変動ソリューション重視の銘柄群は12月10日以降で13.6%アウトパフォーム、2月24日以降でも5.6%アウトパフォーム。中南米でも各々12.8%と5.7%のアウトパフォームだった。欧州では12月10日からではアウトパフォームしていたが、2月24日以降ではアンダーパフォームだった。中東・アフリカでは、12月10日からは0.3%のアンダーパフォーム、2月24日以降は0.9%のアンダーパフォーム。北米では、各々1.9%と6%のアンダーパフォームだった。
地域別のESGスコア高い銘柄群では、欧州では12月10日からで6%アウトパフォーム、2月24日以降で4%アウトパフォーム。アジア太平洋でも各々8.9%と9.6%アウトパフォームしていた。但し、米州では各々0.5%と4%のアンダーパフォームだった。
パウン氏は、新型コロナウイルスのような社会や環境に大きなインプリケーションを孕む危機の局面では、ESGはディフェンシブなファクターとして機能するとコメント。投資家は、企業のESGリスクマネジメント状況を考慮すべきと促した。
今回発表された分析の詳細は、HSBCグローバル・リサーチの顧客であれば閲覧できる。
【参照ページ】ESG stocks did best in COVID-19 slump
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