【アメリカ】ハーバード大、新型コロナで経済再開に向け毎日500万人検査可能な体制構築を提言 2020/04/25 最新ニュース

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 ハーバード大学のエドモンド・J・サフラ倫理センターは4月20日、新型コロナウイルス・パンデミックで米国経済を通常モードへ再開させることが検討される中、安全に再開するためには、まず1日当たり500万人の検査体制を構築する必要があるとする報告書を発表した。現行の体制では全く不十分とし、連邦政府及び州政府が主導して、全く新しい検査体制を整備しなければならないと提唱した。

 今回の報告書は、同センターが招聘した各分野の専門家45人が結集してまとめたもの。ハーバード公衆衛生スクール、ハーバード・ロースクール、コロンビア大学の経済学教授等の学者の他、マイクロソフトのリサーチ部門やロックフェラー財団からも多数が招聘された。

 今回の提言は、現在、米国で主要戦略である「ソーシャル・ディスタンシング」のみで苦境を乗り越えることには限界があるという課題意識から来ている。同報告書は、ソーシャル・ディスタンシングをしながらワクチン完成を待つだけでは、今後1年から1年半で経済は崩壊し、数兆ドルもの損失を受けることになると指摘。そのため、ソーシャル・ディスタンシングをし経済活動を最低限再開させながら、感染防止を実現するためには、検査、感染経路把握、隔離という「封じ込め戦略」に移行していく必要があると主張した。同報告書は、この戦略を「TTSI」と名付けた。

 しかし、現在の検査体制は、インフルエンザに最適化された体制になっているため、TTSIを実施するには今後2年間で500億米ドルから3,000億米ドルが必要となる。だが、ソーシャル・ディスタンシングによる経済損失は毎月1,000億米ドルから3,500億米ドルとなることと比較すれば、遥かに少なく抑えられるという。

 一方、経済活動については、米国土安全保障省の発表では「エッセンシャル・ワーカー」と呼ばれる社会インフラ維持に必要な労働者が全体の40%おり、この人達は、ソーシャル・ディスタンシング戦略のもとでも通常通りの勤務状態にある。また、エッセンシャルな業務に付随する業務が15%、さらに拡大すると15%、それらには該当しないがテレワークが不可能な人が10%、テレワークが可能な人が20%いると試算した。

 その上で、今後のアプローチとしては、4段階で経済活動を再開してくロードマップを示した。5月と6月は第1段階で、ソーシャル・ディスタンシングを維持ししたまま、全米で毎日500万人を検査できる体制を構築。エッセンシャル・ワーカーの中で感染した人を積極的に特定して安全に隔離するとともに、新たに人員を補給することで社会インフラを維持しつづける。

 7月には第2段階に移り、拡大定義のエッセンシャル・ワーカーも職場に復帰。またそのときまでに検査体制を毎日2,000万人体制にまで拡大し、職場での検査を実施しながら、経済活動を一部再開する。この時点で経済全体で約70%が職場に復帰している形となる。

 7月後半には第3段階に移り、エッセンシャルではないがテレワークが難しい人々も職場に復帰。同時に、検査を各自治体単位でも遂行できるようにし、大規模な検査、追跡、隔離を徹底する。

 8月には、残りの20%の人々もテレワークから通常勤務に復帰。このタイミングで学校を再開する。

 今回の報告書では、戦略の肝となる検査体制の構築では、10万人の追跡者が必要となると発表。また、隔離された人には、所得や食事を保証することも重要だとした。

【参照ページ】Roadmap to Pandemic Resilience

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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