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【日本・EU】首脳会談、経済復興でグリーンリカバリーとデジタル変革確認。外務省の概要文には盛り込まれず

 安倍晋三首相とEUのシャルル・ミシェル欧州理事会議長及びウァズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は5月26日、日EU首脳テレビ会議を行った。新型コロナウイルス・パンデミックでの対策と経済復興に向けた意見交換を行い、日EU間の連携を確認した。

 今回の共同プレス発表では、3首脳は、国連持続可能な開発目標(SDGs)及びパリ協定に沿って、グリーン転換(脱炭素化)とデジタルトランスフォーメーションを復興戦略の一部とすることで合意。プライバシー及びセキュリティを確保した上で、感染拡大を予防するためのデジタル技術を含むあらゆる政策を協調しながら導入していくことも確認した。3首脳は、不必要な移動制限と輸出規制を抑制しながら、グローバル・サプライチェーンをより強靱なものとすることの必要性も強調した。

 この中で、グリーン転換(脱炭素化)とデジタルトランスフォーメーションを経済復興の軸に据えることは、EUとしてすでに打ち出している戦略で、EU側として日本側にも協調を求めた格好だったが、日本の外務省発表の「会議の概要」からは外された形となった。外務省側の発表では、「強靱なサプライ・チェーンの構築や海外からの直接投資については,安全保障上の観点からの適切な対応が必要」と、安全保障の観点を強調している。

【参考】【EU】欧州理事会、新型コロナからの出口戦略に向け「グリーン転換」への準備で合意(2020年4月3日)

 また共同プレス発表では、感染症対策については、世界保健機関(WHO)による調整の役割を再確認するとともに、第73回WHO総会でWHO事務局長に対し、最も適切な早期にWHOが調整した新型コロナウイルスへの国際的な保健対応から得られた経験と教訓を検証するための、公平で独立した包括的な検証の段階的な作業を開始することを要請した決議を双方で歓迎。また、アフリカ及び他の脆弱な地域を含む途上国支援でも双方の支援表明を歓迎した。

 日本が強調する安全保障面では、3首脳は,新型コロナウイルス感染拡大が与える地政学的な影響についても議論。ルールに則った国際秩序を支持するというコミットメントを繰り返し強調し、サイバーセキュリティ、ハイブリッド脅威への対策,テロ対策等の分野での実践的な協力を強化していくことへの期待を表明した。「グッド・ガバナンス」「社会や民主主義の強靱性」「表現の自由」「法の支配」等の考え方を確認し合った。

【参照ページ】Joint press release: Japan-EU Leaders' meeting
【参照ページ】日EU首脳テレビ会議の開催

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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