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【アフリカ】ノバルティス、アフリカでの鎌状赤血球症対策拡大。肺炎やマラリア対策も呼びかけ

 製薬世界大手スイスのノバルティスは6月18日、ウガンダおよびタンザニア保健省と覚書を締結し、アフリカで展開中の鎌状赤血球症(SCD)対策プログラムを両国に拡大すると発表した。同プログラムは2019年にガーナで開始。2022年までにサブサハラ地域10カ国に展開予定。6月19日の「世界鎌状赤血球症デー」に合わせて発表した。

 鎌状赤血球症は、赤血球の形状が鎌状になり酸素運搬機能が低下することで起こる貧血症で、遺伝性がある。鎌状赤血球を保有しているとマラリアへの感染や肺炎を起こした際の症状が深刻化しやすい。鎌状赤血球症は、西・中央・東アフリカで10%から30%、一部地域では45%が感染。アフリカでは毎日1,000人の子どもの死者が出ていると推定され、その半数以上が5歳以下。医療設備に乏しい国では、鎌状赤血球症に感染した子どもの90%以上は、成人まで生きられない。死亡率の高さの背景には、早期診断やペニシリン投与、親の知識の欠如等があるという。

 ノバルティスは、官民パートナーシップにより、患者とその家族が診断や治療に手頃な価格でアクセスできるようにし、科学研究と教育を促進する包括アプローチを実施。ガーナではすでに、患者6万人以上にヒドロキシウレア治療を提供。コロナウイルス・パンデミック下でも支援を継続してきた。ヒドロキシウレアは、先進国ではすでに成人・子どもともに投与可能な治療薬として利用されており、ウガンダ、タンザニア、ケニアでも同治療薬の登録を推進してきた。医学誌 「New England Journal of Medicine」掲載の最新の研究では、同治療薬がサブサハラでの子どもの鎌状赤血球症患者にとって安全かつ効果的と分析。血流閉塞による疹痛発作やマラリア、輸血に伴う事故の発生率を低下させるという。

 同社は、ガーナ大学とも覚書を締結。同国の健康に関する教育、研究、アドボカシー、キャパシティ・ビルディングを支援する。子ども向けには、児童用製剤クリザンリズマブの開発を続けており、2020年中に臨床試験を2つ実施する計画も発表した。サブサハラ地域での生物学的療法の多施設臨床試験は初。

 また同社は6月16日、世界の医療関連業界に対し、子どもへの影響が大きい肺炎やマラリア、下痢等への継続的なリソース投入を呼びかけた。世界最大の死因である肺炎では、世界保健機関(WHO)が第一選択治療として推奨する児童用製剤アモキシシリンを開発。過去5年間で、アモキシシリン500万人分を国連児童基金(UNICEF)と国境なき医師団(MSF)に提供した。患者の親が病気の兆候を把握でき、医療機関従事者が適切な処置ができるよう、肺炎に関する教育も行った。

 下痢では、新薬の前臨床試験を実施。子どもの死亡にも繋がるクリプトスポリジウム症の対策に取り組んでいる。アフリカでは、下痢により5歳以下の子どもが年間30万人死亡している。

 マラリアについては、世界的な取り組みに伴い、2000年から2015年にかけてアフリカでの5歳未満死亡率が70%以上低下。それでも依然27万人以上が死亡しており、同社は子ども向けの抗マラリア薬の販売を行っている。マラリア流行国に対しては、子ども4億人分の治療薬を配布してきた。

【参照ページ】World Sickle Cell Day 2020
【参照ページ】Novartis expands Africa Sickle Cell Disease program to Uganda and Tanzania
【参照ページ】Day of the African Child 2020

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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