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【スペイン】BBVA、世界初のグリーンボンドCoCo債発行。資本性のAT1債。SPOはDNV

 スペイン金融大手ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)は7月8日、世界初のグリーンボンド型CoCo債(偶発転換社債)を10億ユーロ(約1,200億円)発行した。

 CoCo債は、主に金融機関が発行する資本性を有するハイブリッド債券(具体的にはAT1債;その他Tier1債))。発行体の自己資本比率が事前に定められた水準より下回った際に普通株式に転換される性質を持つ。国際決済銀行(BIS)が定めるバーゼル規制上の「Tier1債」への勘定が認められており、金融機関が自己資本比率基準を達成するために近年積極的に活用されている。年限無しの永久債のため、金利条件の設定が非常にシビアに検討される。

 年限が限定されている債券とは異なり、株式や資本性負債でのグリーンボンドやソーシャルボンドの発行では、資金使途の設計が非常に重要となる。年限が限定されていれば、資金使途プロジェクトのみに活用するというプロジェクト単位の発行という位置づけが実現しやすいが、年限がない場合は、該当プロジェクトのみに使途を「永久に」限定することを示さなければならなくなるが、これをどのように保証するかについては、依然として賛否両論がある。

 BBVAは今回、資金使途の設定において、2018年に策定したサステナブルボンド・フレームワーク「SDGボンド・フレームワーク」をそのまま活用した。同フレームワークを用いては、当社はすでにグリーンボンドやソーシャルボンド等を発行しており、CoCo債のための新たな資金使途設定をしなかったことは特筆に値する。同フレームワークのセカンドパーティ・オピニオンは、ノルウェー評価機関DNV。今回の発行でも、同オピニオンをそのまま第三者保証として活用した。

【参考】【スペイン】BBVA、100%新型コロナ対策が資金使途のソーシャルボンド1200億円発行。欧州民間銀行初(2020年6月6日)

 今回の資金使途は、同社のESG基準を適用したファンドに44%が充当されるという。同ファンドは、26億ユーロの残高があるBBVAの適格グリーン資産にファイナンスしている。そのうち70%は2018年から2020年に実施。内容は、省エネ、再生可能エネルギー、クリーン輸送、廃棄物マネジメント、水マネジメント等。また、2016年に発行した既発のAT1債のリファイナンスにも充当することを明らかにした。

 引受証券会社は、BBVA、BNPパリバ、シティグループ、JPモルガン、ソシエテ・ジェネラル。225件のオーダーがあり、金利は当初予定の6.5%から6.0%にタイト化することに成功した。投資家層は、英国50%、フランス22%。また投資家種別ではファンド91%、銀行6%。

【参照ページ】BBVA raises €1bn in first-ever green CoCo bond by a financial institution
【フレームワーク】SDG Bond Framework

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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