
国際アパレル人権NGOの米・公正労働協会(FLA)は7月22日、マレーシアのパーム油業界に対する移民労働者の人権保護について提言レポートを出した。マレーシアでは、新型コロナウイルス・パンデミックにより、政府が移動規制令を発出し、3月18日から31日まで全業種で操業停止が命じられていたが、パーム油業界は例外扱いとなり、政府定めたルールを守れば操業ができる状態にあった。
マレーシアでは、現在労働者の30%が移民労働者と言われている。数は350万人から550万人と言われており、そのうち合法的な就労許可を保持しない不法移民労働者が100万人から350万人を占めている。不法移民労働者の中には、当初は合法だったが、雇用主がビザの更新手続きを怠ったため、就労資格が切れてしまっている人も少なくないという。パーム油業界では、インドネシアからの移民労働者を中心に約40万人から50万人の移民労働者がいる。業務は、パーム農園での採取が中心。
今回FLAは、現在引き起こされている移民労働者に対する深刻な人権問題を提起した。まず、操業取締の強制捜査が強化されたことで不法移民の逮捕が増えており、収容所が「3密」状態にあり、感染リスクが高い。また4月1日一斉捜査が実施されたことで、不法移民労働者が危険なルートで国許に変えろうとする行為も増えている。
さらに、パーム油事業者が、移動禁止令発令以降、行政手続を怠るケースも出てきており、合法移民労働者が不法移民化してしまうリスクも高まっている模様。また事業活動が落ち込んでいることで、最低賃金を下回る給与払いや給与未払いの状態も出てきている。強制労働や児童労働のリスクも増大化しているとした。
今回FLAは、事業者による対策として17のアクションを提言した。内容は、パーム油の事業者向けだが、サプライチェーンに関連する企業がパーム油事業者に対しエンゲージメントをする上でも活用できるものとなっている。
【参照ページ】COVID-19 AND MIGRANT AGRICULTURE WORKERS IN THE PALM OIL SECTOR IN MALAYSIA
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