イスラエルのユバール・シュタイニッツ・エネルギー相は8月9日、新設計画中のガス火力発電所4ヶ所の計画を白紙撤回するよう国家計画建設委員会に要請。再生可能エネルギーの割合を高める考えを表明した。計画が中止となる発電所の設備容量は合計4.86GW。
シュタイニッツ大臣は6月、2030年までに再生可能エネルギーの電源構成を現状の17%から30%にまで引き上げる目標を宣言。残りの70%をガス火力発電で調達する意向を示していた。
今回の発表では、太陽光発電を中心に再生可能エネルギーの性能とコスト削減が大きく進展した結果、再生可能エネルギー電源を12GW、蓄電施設も2.2GW新設する意向を表明。同時にガス火力発電の新規需要については、4GWの新設需要が潜在的にあるとの見積もりに対し、新設を1.4GWに抑制する考えを伝えた。
今回計画が白紙撤回されるガス火力発電新設プロジェクトは、Mevo’ot Gilboa、Sagi 2000、Zvaim、Hartuv。また計画続行のプロジェクトについても、新規用地での建設許可申請は停止し、既存発電所の拡張で対応するプロジェクトを優先することも伝えた。目下、ダリア発電所の拡張と、ソレク発電所の拡張については承認がおりており、合計で1.525GW分が加わることになる。
同省の事務次官は同日、今後可能であれば、再生可能エネルギーによる電源構成を30%からさらに引き上げる用意があることを表明。稼働させるガス火力発電についても、需要がなくなれば発電量を率先して抑制する考えも披露した。
今回の決定に対し、長年エネルギー相に対し全てのガス火力発電新設計画の停止を求めてきたギラ・ガムリエル環境保護相は、歓迎の意を表明しつつも、引き続き、残りのガス火力発電新設にも反対していく考え。同相は、2030年までの再生可能エネルギー電源構成を47%まで引き上げることができると主張している。
イスラエルでは現在、ガス火力発電がすでに約7割と非常に高いが、石炭火力発電も稼働している。すでに石炭火力発電については全廃の方向性が決まっている。イスラエルではさらに二酸化炭素排出量を下げるため、ガス火力発電から再生可能エネルギーへのシフトが政策テーマとなっている。
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