ノルウェー・エネルギー大手エクイノールは10月1日、浮体式洋上風力発電所「ハイウィンド・タンペン」の建設を開始したと発表した。設置はノルウェー沿岸から140km沖。水深は260mから300m。設備容量は88MWで完成すると世界最大の浮体式洋上風力発電所となる。発電機は、シーメンス・ガメサ製の8MWタービンを11基設置する。
エクイノールは、20年前から浮体式洋上風力発電の技術開発を進めており、今回の発電所が2022年に稼働すると、世界の浮体式洋上風力発電の設備容量の3分の1を同社が占めることとなる。
発電した電力は、同社のスノーレ海洋油田およびガルファクス海洋油田の年間電力需要の約35%を賄い、年間二酸化炭素排出量を20万t以上削減できる予定。海洋油田への電力供給を目的とした浮体式洋上風力発電プロジェクトは世界初。建設費用は50億ノルウェークローネ(約580億円)で、ノルウェー政府から23億ノルウェークローネ(約270億円)、同国NOx Fundから5.66億ノルウェークローネ(約65億円)の資金援助を受けた。
今回のプロジェクトの雇用創出効果は、ノルウェー建設大手アケル・ソリューションズの設計・調達・建設部門クバーナーで従業員250人分。その他、サプライヤーや公共セクターでも約800人分の雇用を生む波及効果があるという。また、ノルウェーのコンサルティング会社Multiconsultの調査では、同プロジェクトは全体で1,550人から3,000人の正規雇用を生み出す可能性があると推計されている。
エクイノールは、2030年までに洋上風力発電を、他の電源と同等の価格競争力をもたせるまでに成長させることを目標としている。今回のプロジェクトでは、大型タービンや新技術の投入で、英国スコットランドに建設済みの浮体式洋上風力発電所「ハイウィンド・スコットランド」より40%以上コスト削減することを狙う。
また同社は、ノルウェー、英国等のヨーロッパの他、米国やアジアでの洋上風力発電プロジェクトに可能性を見出しており、今後より大規模な浮体式洋上風量発電プロジェクトが実現すれば、着床式洋上風力発と同程度までコスト削減が可能だとした。
【参照ページ】Construction starts on the world's largest floating offshore wind farm
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