世界主要27ヶ国でのサーベイ調査の結果、今後の未来に向け持続可能で健康な社会への変化を望むかという質問に対し、日本人が最も変化ではなく現状維持を求めていることがわかった。9月に発表された世界経済フォーラム(WEF)の調査でも、コロナ後に持続可能で衡平な社会を強く望む日本人はわずか19%しかおらず、日本人の現状維持志向が世界の中で際立ってきている。
【参考】【国際】コロナ後に持続可能で衡平な社会を強く望む日本人はわずか19%。世界経済フォーラム調査(2020年9月23日)
今回の調査は、カナダのサステナビリティリサーチGlobeScanが6月に実施したサーベイの結果。調査プロジェクトでは、イケア、ペプシコ、VISA、CVSヘルス、世界自然保護基金(WWF)インターナショナルも協力した。調査は、27ヶ国で約1,000人ずつが国勢調査に基づく成人人口比率でオンラインで実施。言語は基本的に現地の言葉で行われた。
調査の結果、27ヶ国全体では、「より健康な生活に変化したい」が61%、「より持続可能な生活に変化したい」が50%、「より他人に優しい生活に変化したい」が47%だったのに対し、国別では大きな違いが出た。
(出所)GlobeScan
調査対象27カ国のうち、上記3つの「変化したい」率を総合化したインデックスでは、日本が最も変化を望む人が少なかった。その次に変化を望まないひとが多い国は、韓国、ロシア、スウェーデン、英国、米国、カナダ、オーストラリア等。一方、新興国では変化を望む人が非常に多かった。そのため、先進国では、すでに生活が豊かであり変化を望まない人が多くなるという傾向が見られたが、その中でも日本の現状維持志向は顕著だった。変化を望まない姿勢は、ビジネスモデルや技術のイノベーション推進にとって大きな向かい風となる。
また年齢別でも大きな傾向があった。今回の調査では「ジェネレーションZ」「ミレニアル世代」「ジェネレーションX」「ベビーブーム世代」の4つに分けて集計した結果、ジェネレーションZでは、「不健康な生活を恥に思うか」で50%、「環境を考慮しない生活を恥に思うか」で44%いたが、ベビーブーム世代では各々16%と15%と非常に少なかった。
消費者の変化への関心と行動変容の容易度の双方が高かった分野は、節水・省エネ、廃棄物削減、ウェルビーイング、健康。一方、関心も低く行動変容も難しいと感じてるものは、肉なしの食生活、新技術の開発、利他主義等。
企業に求めるものでは、社会と環境の双方にとって便益のある商品の低コストでの提供が、50%と抜きん出て多かった。
【参照ページ】Study Finds People Want to Make Healthy and Sustainable Living Choices but Do Not Know Where to Start
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