国際海事機関(IMO)の海洋環境保護委員会(MEPC)は11月18日、 船舶の二酸化炭素排出基準を強化するマルポール(MARPOL)条約の改正案を承認した。MARPOL条約では、改正案については半年以上の周知期間を設定することが定められており、2021年に開催する次回のMPECでの正式採択を目指す。改正が採択されると、16ヶ月以上の準備期間をおいて発効する。
IMOは、2030年までに海運での原単位二酸化炭素排出量を2008年比40%削減する「IMO GHG戦略」を掲げており、直近の結果でも同戦略に沿う形で削減ができているため、新たな基準を設けることとした。
今回の改正案では、同条約の附属書VI第4章に新たな省エネ要件を追加する。現行規則では、国際航海に従事する400GT以上の新造船に対しては設計段階での省エネ基準でベースラインを設定する「エネルギー効率設計指標(EEDI)」を満たすことを義務付けているが、義務対象を現存船にも拡大。現存船向けに「エネルギー効率現存船指標(EEXI)」を設定し、現存船にも排出量削減のための修繕を要求する。
また航行オペレーションでの省エネを要求するため、新たに「運航原単位指数(CII)」を設定。5,000GT以上の船舶に年次の実績報告を義務化する。報告データは、CIIを基に、AからEまでの5段階で評価され、 省エネ実行計画「船舶エネルギー効率管理計画書(SEEMP)」に記録される。Eを取得した船舶、もしくは3年連続でDを取得した船舶は、C以上を取得するための改善計画の提出も課される。またAもしくはBを取得することを奨励するため、当局にインセンティブ設定することも推奨する。
また同改正案は、新設するEEXIとCIIに関する実効性を2026年1月1日までにレビューすることも定めた。
【参照ページ】IMO Environment Committee approves amendments to cut ship emissions
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