自動車世界大手独フォルクスワーゲンは11月19日、コンゴ民主共和国の小規模コバルト採掘従事者の労働環境改善と周辺地域コミュニティの生活環境改善のため、コバルト・サステナビリティ・イニシアチブ「Cobalt for Development」に加盟したと発表した。コバルトは、電気自動車(EV)バッテリーの原料として使われており、コバルトの調達改善は企業の大きな課題となっている。
Cobalt for Developmentは、2019年9月にサムスン電子、サムスンSDI、BMWグループ、BASFの4社が協働し発足。ドイツ政府の国際協力機関GIZに委託契約を結び、3年間の小規模コバルト採掘事業者に対し、生活・労働改善事業を展開している。途中からグーグルも加盟し、今回フォルクワーゲンが加盟したことで全部で6社となった。
実証プロジェクトでは、事業者、政府当局、NGOの3者が連携し、事業者に対し安全衛生及び環境に関するトレーニングを実施。現場でのマネジメントを改善する根本的な課題解決を目指している。地域コミュニティに対してはき、教育、雇用、紛争を解決するトレーニング等を実施。すでに1,800人がプログラム支援を受けてきた。
労働環境の面では、コルウェジ周辺の12の事業協同組合で、合計1,500人の採掘従事者に対し労働環境改善プログラムを展開。合法的に事業展開している採掘所について、労働環境アセスメントを実施し、すでに36の鉱区が「適切」と判断された。
フォルクスワーゲンは、コバルト調達では、他にもRCSグローバルと契約し、サプライチェーンのトレーサビリティ確保システムを構築している。
また同社は11月30日には、次世代のEV向けに新開発したモジュラープラットフォーム「MEB」を中国市場で現地生産すると発表した。上海・安亭と広東省・仏山の2工場で、生産能力は年間60万個。同社は10月には、MEBを活用したEV専用車種を一汽大衆の「ID.4 CROZZ」と上海汽車(SAIC)の「ID.4 X」の2モデル発表しているが、今後さらに3モデルを追加投入すると発表。現地生産のMEBを使用していく。
同社は中国市場で、2023年までにEVシリーズ「ID.ファミリー」で合計8モデルを投入する考え。2035年までに中国での電気自動車新車販売比率を35%にまで高める。新工場には、新型設備を数多く導入し、エネルギー消費量、水消費量、二酸化炭素排出量、VOC(揮発性有機化合物)排出量、廃棄物の量を従来工場と比べ20%削減できる。また電力は全て再生可能エネルギーを用いる。
【参照ページ】Volkswagen engages in improving working conditions in artisanal cobalt mines in the Democratic Republic of Congo
【参照ページ】Samsung Electronics and Partners Kick Off “Cobalt for Development” Project to Promote Responsible Artisanal Cobalt Mining in the Democratic Republic of Congo
【参照ページ】Volkswagen Group commences climate-friendly MEB production at Foshan and Anting plants
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