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【日本】金融庁、マネロン・テロ資金供与ガイドライン改正。リスクアプローチを高度化

 金融庁は2月19日、「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」を再改正した。2020年12月11日から1月22日までパブリックコメントを募集した後、正式決定した。

 今回の改正のポイントは大きく2つ。まず、経営陣の責任レベルを引き上げ、社内でのガバナンス体制構築を主導する責務を明確に定めた。もう一つは、リスク・アプローチを推進し、リスクの特定を適切に行なった上で、リスクに応じた対策を講じるというフレームワークをガイドラインの中で貫徹させた。

 特定するリスクについては、「提携先、連携先、委託先、買収先等のリスク管理態勢の有効性も含め」とし、社外のリスク管理体制も範疇に含めた。リスクの評価では、「部門・拠点・届出要因・検知シナリオ別等」をリスク評価に活用し、疑わしい取引の届出の状況を検知することを盛り込んだ。

 コルレス先や委託元金融機関等についても、所在する国・地域、顧客属性、業務内容、マネロン・テロ資金供与リスク管理態勢、現地当局の監督のスタンス等を踏まえた上でリスク評価を行うこととした。

 顧客レベルでの管理でも、「顧客の営業内容、所在地等が取引目的、取引態様等に照らして合理的ではないなどのリスクが高い取引等について、取引開始前又は多額の取引等に際し、営業実態や所在地等を把握するなど追加的な措置を講ずること」と明記した。これにより、カスタマー・デューデリジェンスの適正基準が引き上げられた形。疑わしいカスタマーに関しては、顧客情報の調査範囲・手法・更新頻度等を変えるなどの対応例も明記した。また、取引先顧客が所属しているグループ全体のリスクも勘案することを新規に追加した。

 さらに経済制裁等の対象に対する取引モニタリングの強化も追加した。具体的には、制裁リストの最新化フローや、国連安全保障理事会決議等の海外で指定された経済制裁対象者等についても遅滞なく照合する体制構築を求めた。

 ITシステムで、リスク評価や取引検知を行う場合は、導入時の検証と導入後の定期検証を求めた。

【参照ページ】「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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