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【国際】ハーシー、2030年CO2排出量削減目標を発表。サプライチェーンでの森林破壊ゼロも

 チョコレート世界大手米ハーシーは3月1日、2030年までにスコープ1とスコープ2の二酸化炭素排出絶対量を2018年比50%以上、スコープ3排出絶対量を同25%削減する目標を設定した。同社は2019年、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)の1.5℃目標に整合性のある目標へのコミットを表明。今回具体的な目標を宣言するに至った。

 同社は、二酸化炭素排出量削減のため、「省エネと再生可能エネルギー活用」、「包装・容器への投資」、「森林破壊の根絶」の3分野に注力する。スコープ1とスコープ2での二酸化炭素排出量削減では、省エネ投資や再生可能エネルギー導入プロジェクトを実施。電力購入契約(PPA)2本に合意し、大規模太陽光発電所を2ヵ所に建設する。また、世界中の拠点で省エネプロジェクトや再生可能エネルギーへの転換を促進。2024年までにスコープ1とスコープ2の二酸化炭素排出量を40%削減する見込み。

 スコープ3での二酸化炭素排出量削減では、包装・容器の重量削減をすでに実施してきた。2015年には、2025年までに包装・容器の重量を1.1万t削減する目標を設定。2020年には、5年前倒して同目標を達成した。今回設定した2030年目標では、二酸化炭素排出量だけでなく、廃棄物削減やサーキュラーエコノミーの推進のため、2030年までに包装・容器を100%リサイクル可能なものに転換する目標も設定した。

 さらに同社は、スコープ3での二酸化炭素排出量で大きな割合を占める森林破壊にも着手。2030年までに同社サプライチェーン上での森林破壊ゼロを実現する。新たに策定した同社の森林破壊に対するポリシーは、原料サプライヤー全体が対象。現時点で森林破壊問題が大きく取り上げられているカカオ、パーム油、パルプ、包装紙、大豆等については、同社サプライヤーに対し、優先的に同ポリシーとの整合性の検証を行う。同ポリシーを遵守できないサプライヤーについては、取引の一時停止または完全停止も辞さない構え。

 同社はこれまで、カカオを中心に、主要な商品での森林破壊対策を進めてきた。2017年には、コートジボワール政府やガーナ政府、ネスレ、マース、カーギル・ココア&チョコレート、バリーカレボー、オーラム・ココア等と協働し、「カカオと森林イニシアチブ(The Cocoa and Forests Initiative)」を発足した。

【参考】【国際】英皇太子、チョコレートメーカー世界大手を招集。森林破壊撲滅に向けた共同趣旨書発表(2017年4月3日)

 その他同社は、2013年から2019年にかけて、生物多様性、食料安全保障、農家の収入の多様化促進のため、カカオの木等830万本以上を植樹。さらに森林破壊防止アクションの一環として、GPSデバイスを活用したカカオ農場モニタリングも実施。衛星画像を活用し、カカオ農場近辺の原生林や、森林や生態系が劣化した可能性のある場所を特定している。

【参照ページ】Hershey Announces Bold 2030 Goals To Reduce Environmental Footprint And Address Climate Change

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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