長期志向経営推進国際イニシアチブの米FCLTGlobalは7月19日、非上場企業でも取締役ダイバーシティが重要とするレポートを発表した。上場企業に比べ、非上場企業での取締役ダイバーシティが乏しく、ダイバーシティを向上することで価値向上できるとの考えを示した。
FCLTGlobalは、マッキンゼーとカナダ年金計画投資運用委員会が2013年に立ち上げた「FCLT」を前身とし、2016年7月にブラックロック、ダウ・ケミカル、タタ・サンズが加わり「FCLTGlobal」として新たに発足した。今では加盟企業が非常に多くなっている。ステート・ストリート、フィデリティ・インベストメンツ、シュローダー、ニューバーガー・バーマン、ノルウェー銀行投資マネジメント(NBIM)、ナティクシス、テマセク・ホールディングス、ゴールドマン・サックス、ブラックストーン、ベイン・キャピタル、バークレイズ、ペイパル、ウォルマート、ユニリーバ、TPG、DSM、シンジェンタ、グラクソ・スミスクライン(GSK)、MSCI、マスターカード、ナスダック、香港金融管理局等も現在加盟している。
今回のレポートでは、ダイバーシティの高い取締役会の企業は、そうではない企業と比較し、ROIC(投下資本利益率)が3.3%高いこという調査結果を紹介。また、マッキンゼーの2015年の調査では、人種や民族のダイバーシティが上位4分の1の企業は、財務リターンが国内の業界中央値を上回る可能性が35%高いという結果も紹介した。また、イノベーションでの競争力、レジリエンスでのボラリティティ低下にもつながるという。
またこれらのデータは上場企業を対象としているが、非上場企業でも同様の結果が言えるというカーライルのデータも示した。カーライルでは、同社の投資先企業を対象とした調査で、2人以上の多様な取締役がいる企業は、多様な取締役が少ない企業に比べて、年間収益成長率が12%高いことを明らかにしている。
【参照ページ】The Missing Element of Private Equity: Creating Long-term Value Through Portfolio Company Board Diversity
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