風力発電国際業界団体の世界風力会議(GWEC)は7月22日、ベトナムでの洋上風力発電推進に関する提言レポートを発表した。ベトナム政府に対し、洋上風力発電での新たな固定価格買取制度(FIT)を導入し、4GWから5GWの設備容量を実現した上で、スムーズにオークション制度に移行することを推奨した。
GWECは今回、473GWという膨大な洋上風力発電ポテンシャルがあると指摘。今後10年間で東南アジア地域の洋上風力発電リーダーになれると位置づけた。そのうえで、ベトナムでの洋上風力発電建設プロジェクトの本格化は、2026年以降になると予測しつつも、今から規制枠組みの支援スキームでの用意を始めることを強く提唱した。
制度支援では、現行の洋上風力発電向けのFIT制度は、実質的には沿岸の陸上風力発電を想定した体系となっており、2021年11月末に期限を迎えるFIT制度の次の買取価格は、真に洋上風力発電向けにする必要があると提言。十分な価格水準が設定できれば、初期の4GWから5GWのプロジェクトに向けた投資を呼び込み、プロジェクトを通じて、現地の地元やサプライチェーンでの学びも育まれると強調した。
オークション制度の導入については、価格を下げる効果は期待できるものの、関係性ができあがっていない状況では、事業者に過渡なプレッシャーとなると指摘。FIT制度でプロジェクトを進めながら、早いタイミングからオークション制度に移行していくことを伝え、事業者に対する予見可能性を高めながら、スムーズにオークション制度に移行していくべきとした。
オークション制度の設計に関しては、参考事例として、英国、デンマーク、オランダ、ドイツ、フランス、台湾の6ヶ国・地域の制度を紹介した。
【参照ページ】Vietnam’s Future Transition to Offshore Wind Auctions
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