【アメリカ】カリフォルニア州、サーキュラーエコノミー化を大幅強化する一連の州法が成立

　米カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は10月5日、サーキュラーエコノミーを強化するための一連の州法案に署名。各州法が成立した。

　まず、州法SB343は、カリフォルニア州資源循環局（CalRecycle）のリサイクル性基準への適合を州当局が定める手続きで認めない限り、製品にリサイクルラベルを表示することを禁止した。同リサイクル基準は、州のごみ回収（カーブサイドに限定）で60%以上が回収され、バーゼル条約の国際基準を満たした施設で特定のプロセスで分別・再生されたものに限られる。

　同州法は、CalRecycleに対し、2024年1月1日までに最も一般的なリサイクル素材リストの公表を義務化。メーカーは、その後18ヶ月以内に、リストへの準拠を確認し、必要があればラベルを修正しなければならない。カーブサイド以外で回収された廃棄物を原料とする場合は、別の基準で認定される可能性もある。同州法の制定過程では、リサイクルされない廃棄物がむしろ増えるとの批判もあったが、推進派は押し切った。

　州法AB881は、従来は、リサイクル用途で国外に輸出されていた廃プラスチックを、統計上の「リサイクル」に含めていたが、価値の低い廃プラスチックの輸出は「廃棄」とカウントすることを決定した。背景としては、輸出後の廃プラスチックの最終処分を追跡することが難しく、実際にリサイクルシステムが整っていない国に輸出されていることが多いためと説明した。

　州法AB1201は、堆肥化可能や生分解可能のラベル表示の規制対象を、従来のプラスチック製品から、全ての製品に拡大した。これにより、生分解性製品協会（BPI）、堆肥製造同盟（Compost Manufacturing Alliance）、もしくはCalRecycleが承認するその他の第三者認証機関による認証を受けていない限り、「堆肥化可能」や「家庭内堆肥化可能」等のラベル表示が一切禁止された。

　同州法では、さらに、堆肥化可能や生分解可能と表示する製品は、2026年1月1日までに米農務省の基準で「許容される有機物の投入」に区分されることを義務化。加えて、パーフルオロアルキルまたはポリフルオロアルキル物質（PFAS）を意図的に含めることも禁止された。また、州法AB1200では、PFASを食品容器・包装に使用することも禁止された。

　州法AB962は、ガラス瓶での飲料の再充填販売を認めるもの。具体的には、ガラス瓶が、CalRecycleが承認した洗浄機を備えた事業所に送られる場合、カリフォルニア州の容器交換プログラムの対象とする。従来は、回収されたガラス瓶は、粉砕して処理しなければならなかったが、そのまま再充填できるようになった。洗瓶を行う事業者には、現在認定リサイクル業者に支払われている処理費用と同じ金額が支払われる。

　AB1276は、飲食店で顧客からの要求がない限りプラスチック製ストローを提供することを禁止する従来の州法の対象範囲を拡大し、使い捨ての食器も対象とした。さらに、テイクアウトやデリバリーでの食品提供でも同様のルールが課される。また、イートインの飲食店では、使い捨て食器の使用が禁止され、再利用可能な食器の使用が義務化された。

【参照ページ】Governor Newsom Signs Legislation to Tackle Plastic Pollution, Promote a More Sustainable & Renewable Economy and Protect Californians from Toxic Chemicals
【参照ページ】California governor signs full slate of circular economy bills

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