米ジョー・バイデン大統領は3月9日、暗号通貨を含むデジタル資産の責任ある開発に関する大統領令に署名した。消費者保護、金融安定化、国家安全保障、気候変動リスク対策のためにデジタル資産を活用し、技術的に世界をリードしていく。
今回の発表では、財務省含む連邦政府機関に対し、デジタル資産分野の拡大と金融市場の変化が、消費者、投資家、企業、公正な経済成長に及ぼす影響を評価し、政策提言を行うよう指示。加えて、暗号資産がもたらすあらゆる金融システミックリスクに対して十分な監視と保護を確保するよう促した。特に、金融安定監視委員会に対し、米国及びグローバルでの金融システミックリスク軽減策を提言するよう命じた。
また、米国での中央銀行デジタル通貨(CBDC)の可能性の研究開発を急ぐようにも指示。発行が国益に適うと判断された場合には、連邦準備制度理事会(FRB)主導でCBDC導入を検討することにも言及した。同時に、CBDCの技術的インフラとキャパシティを米国人の利益を保護する手法で進めることも指示。金融システムでの米国のリーダーシップを確保するため、技術および経済競争力における米国のリーダーシップを促進する。特に商務省には、政策をリードするよう指示した。
国家安全保障では、デジタル資産の不正使用がもたらす国家安全保障リスクを軽減するよう、連邦政府機関が協調するよう指示。また、国際的なフレームワークを確立するため同盟国等と連携することも指示した。
デジタル資産の責任ある開発、設計、導入では、プライバシー、セキュリティ、不正利用への対処、気候への悪影響の軽減を優先しつつ、技術の進歩を研究・支援する具体的な措置をとるよう指示。
価格面では、デジタル資産を活用することで、安全でアフォーダブルな金融サービスへの公正なアクセスを期待する。そのため、金融サービスへのアクセスが限られていた地域コミュニティを包摂する枠組みと、デジタル資産が格差を拡大しないようにすることを求めた。同分野は財務省がリードする。
米政府は今回、デジタル資産は、2021年11月に時価総額3兆ドルを突破し、そのわずか5年前の140億ドルが急増したことを強調。米国成人の約16%に相当する約4,000万人が暗号通貨に投資、取引、使用した経験があるとの統計情報も伝えた。
【参照ページ】FACT SHEET: President Biden to Sign Executive Order on Ensuring Responsible Development of Digital Assets
【参照ページ】Executive Order on Ensuring Responsible Development of Digital Assets
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