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【EU】EIOPA、ソルベンシーIIデータでリスク・ダッシュボード開示。ウクライナ戦争の影響加味

 欧州保険・企業年金監督局(EIOPA)は5月2日、ソルベンシーII指令に基づく報告データを活用し、2021年第4四半期のマクロリスク・エクスポージャーを要約したリスク・ダッシュボードを公表した。保険外車94社、単独保険事業社2,205社から情報収集した。

 同ダッシュボードは、GDP成長率を示した狭義の「マクロリスク」、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、収益性・ソルベンシー、相互連鎖・インバランス、引受リスク、市場認識、ESG関連リスク、デジタル化・サイバーセキュリティリスクの10項目で構成。各々について、リスクレベル、トレンド、アウトルックの3つの軸で3段階で示している。アウトルックでは、ウクライナ戦争の影響も考慮された。

 結果は、マクロリスクとデジタル化・サイバーセキュリティリスクが高水準。それ以外は中水準だった。一方、アウトルックでは、「マクロリスク」、信用リスク、市場リスク、収益性・ソルベンシー、ESG関連リスク、デジタル化・サイバーセキュリティリスクでは上昇見通しとなった。

 マクロリスクに関しては、世界的なGDP成長率予測が低下する一方、ロシアのウクライナ侵攻とそれに伴うエネルギー価格の上昇を反映し、主要地域のインフレ予測は上昇傾向。信用リスクは、2022年第1四半期に金融無担保社債と非金融社債のCDSスプレッドが上昇したものの、大きな変化はなく、比較的緩やかな状態が続いている。債券やローンへの投資額の中央値は、2021年最終四半期でも変化していない模様。

 EIOPAは、ロシアのウクライナ侵攻にもかかわらず、市場リスクは全体として前回の評価と比較して増加していないと評価。但し、2022年第1四半期は、地政学的状況に関連する不確実性を反映して、債券市場および株式市場のボラティリティは上昇しているという。

 ESG関連リスクでは、主に気候変動の移行リスクと物理的リスクをみている。保険会社のグリーンボンド投資の伸びの中央値がわずかに上昇しているが、発行残高の伸びはボラティリティが高い。キャット損害率は、前四半期比でわずかに減少した。

 デジタル化・サイバーリスクは、サイバーセキュリティ問題の再燃とハイブリッドな地政学的紛争の懸念が要因。サイバー・ネガティブ・センチメントは、2022年第1四半期に懸念が上昇。サイバーインシデントの頻度は、前年同期から大幅に増加している。

【参照ページ】Risk Dashboard shows resilient insurance sector even as macro and cyber risks abound

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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