経済産業省は8月10日、生産システム全体でのエネルギーマネジメントからのJ-クレジット創出で、評価手法を新たに策定したと発表した。同時に、森林吸収でのJ-クレジット評価手法を改訂し、使い勝手を向上した。
今回新設した評価手法「EN-S-042」は、主に中小企業でのJ-クレジット創出に主眼が置かれている。経済産業省は、中小企業向けの省エネ施策として、IoT活用による詳細計測を促進しているが、これまでエネルギーマネジメント全体でのクレジット評価手法が確立されていなかった。すでにエネルギーマネジメントシステムを導入済みの企業でも、一定期間制御をオフにすることでベースラインの算出ができることを明確にした。これにより既実施企業でのクレジット創出も後押しする。
森林吸収系クレジットでは、主伐の計画がない場合や、主伐地での再造林の計画がある場合には、追加性の評価は不要とした。さらに、主伐後に再造林をする場合は、標準伐期齢までの吸収量を主伐による排出量から控除できるようにした。森林所有者以外が再造林をした場合の算定手法も確立した。加えて、伐採木材の炭素固定量のうち、永続的とみなされる90年間にわたって固定され続ける場合にも、クレジット創出の対象とした。これにより、森林利用でのクレジット創出にも一定の道がひらけた。認証対象期間も最長16年に延長され、天然生林も吸収量算定の対象となった。
今回の改訂では、ボイラー、低炭素コンクリート、家畜飼料でのJ-クレジットも対象が拡大された。
【参照ページ】J-クレジット制度を活用し、カーボンニュートラルに向けて中小企業の脱炭素化の促進や中長期的な森林吸収量の確保・強化を目指します
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