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【日本】政府、GX実行会議で重点予算分野設定。重工業、モビリティ、エネルギー等に2.4兆円

 日本政府は12月15日、GX実行会議を開催。重工業、モビリティ、エネルギー、不動産での二酸化炭素排出量に向けた研究開発や設備投資で、2024年以降に総額2.4兆円の支援予算を組む計画を示した。経済産業省として、2024年度予算審議の中に盛り込むための事前決定に位置づけといえる。

 今回発表した内容は、2月に閣議決定したGX基本方針の参考資料として掲げた22分野に関し、重点分野ごとに「GX実現に向けた専門家ワーキンググループ」で議論を行い「分野別投資戦略」として絞り込んだもの。GX経済移行債(クライメート・トランジション・ボンド)で調達した資金の実質的な使い道を掲げたものとなっている。


(出所)GX実行会議

 発表された分野では、すでに、2021年度第3次補正予算で創設された2兆円の「グリーンイノベーション基金」の対象となっている分野もリストの中に位置づけられている。

 また、別途、税制措置として、戦略分野のうち総事業費が大きく特に生産段階でのコストが高い分野として、電気自動車(EV)、グリーンスチール、グリーンケミカル、SAF、半導体の一部等を挙げ、生産・販売量に応じた税額控除措置「戦略分野国内生産促進税制(仮称)」を導入することも決めた。こちらは初期投資ではなく、生産開始後の生産段階のコスト削減が狙い。同減税措置では、事業計画の認定から10年間の措置期間を設け、さらに最大4年の延長を認める等、非常に長期的な措置となる見通し。目安として法人税額の最大40%を控除可能とする案が打ち出された。

 財源としては、GX経済移行債(クライメート・トランジション・ボンド)の発行と並んで、カーボンプライシングが位置づけられている。今回は、GX基本方針で掲げられた非常に価格の小さいカーボンプライシング制度を再度確認し、2023年度からGXリーグでの自主取引、2026年度からのGXリーグの自主的取引の本格稼働、2028年度からの一部化石燃料卸事業者への化石燃料賦課金、2033年度からの発電分野を対象とした有償オークションを導入することとした。

 中堅・中小企業に対しては、中小企業基盤整備機構(中小機構)のカーボンニュートラル相談窓口や、よろず支援拠点、商工会議所等での経営相談を強化。また省エネ設備の更新に向けた支援メニューを抜本強化するとして、中小企業の自主的アクションを促す方向性を示した。

 スタートアップ支援では、従来のスタートアップ支援策を抜本強化し、今後5年間で2,000億円規模の支援措置を導入する計画を掲げた。

 国際戦略では、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想として、マイクログリッド、ペロブスカイト太陽電池、電気自動車(EV)、水素、バイオ燃料、ヒートポンプ、二酸化炭素排出量算定ツール等を主力分野として掲げた。以前アジア戦略の重点分野として置かれていた天然ガス、アンモニア火力発電、水素火力発電、ハイブリッド車(HV)の影は薄くなってきている。

【参照ページ】GX実行会議(第10回)

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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