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【アメリカ】TikTok運営禁止法が成立。270日以内の売却強制可能に。同社は不服とし違憲提訴へ

 米ジョー・バイデン大統領は4月24日、米国でのTikTok運営を禁止する法案に署名した。これにより米大統領は、TikTokの親会社ByteDance(字節躍動)はTikTokを売却するか、事業運営を停止するかを迫る決定を行う権利を得た。TikTokは不服とし提訴する考え。

 TikTokを巡っては、2020年8月当時の米ドナルド・トランプ大統領が、国防生産法第721条を根拠に、TikTok運営の中国ByteDance(字節躍動)に対し、米国内におけるTikTok運営権を売却するよう命ずる大統領令を発した。しかしその後、法廷闘争となり、同ルールが施行される前に、バイデン政権へと交代。バイデン大統領は2021年7月、前トランプ大統領が署名した中国のIT大手を対象とした3つの大統領令を撤回し、新たにオープンで公正な規制措置を設ける大統領令に署名していた。

 しかしその後、再びTikTokを巡る規制法案が連邦議会に提出され、2022年12月に連邦政府が所有するすべてのデバイスでTikTokの利用を禁止する超党派法案が可決され、中国IT大手ByteDance(字節跳動)の動画投稿アプリ「TikTok」の利用を禁止する超党派法案「No TikTok on Government Devices Act」が可決。バイデン大統領も署名し成立している。さらに司法省は、TikTokが電子スパイに利用されているという疑惑を深め、2023年3月には司法省と連邦捜査局(FBI)は、同社が米国人ジャーナリストをスパイしていたという疑惑を含むTikTokの捜査を正式に開始した。

【参考】【アメリカ】トランプ大統領、ByteDanceに対し米国でのTikTok事業を90日以内に売却するよう命令(2020年8月15日) 【参考】【アメリカ】バイデン大統領、TikTokやWeChat対象のトランプ大統領令を撤回。基準に基づくルール整備へ(2021年6月10日) 【参考】【アメリカ】連邦政府、政府デバイスでTikTokの使用禁止。国家安全保障(2022年12月29日)

 その後、2023年2月と3月にも、米連邦議会にTikTokの運営を禁止する法案が提出されたが成立に至らなかった。そして2024年3月に超党派で同様の今回の法案の前身となる法案が提出されたが、やはり成立は躊躇された。そこで成立を目指す連邦議員らは、イラン、中国、ロシアへの経済制裁を課す法案の中に、TikTok運営禁止を迫る条項を盛り込み、一つの法案とする修正法案を提出。同法案は4月21日、連邦下院を賛成360、反対58で可決した。また連邦下院では同時に、ウクライナ、イスラエル、台湾を支援する法案3本も各々賛成多数で可決した。

 連邦上院では、上記4本の法案が一体法案として上程され、4月24日に賛成79、反対18で可決した。同日に署名したバイデン大統領は、ウクライナ、イスラエル、台湾への総額950億米ドル(約1.5兆円)の支援には言及したが、TikTok禁止については触れなかった。

 同法では、大統領が「外国敵対者が管理するアプリケーション」と判断した場合、270日以内に当該アプリケーションを売却しない場合には、事業運営が停止される。但し、大統領は特定の条件に基づき、90日間の停止追加猶予を発動できる権限も有する。「外国敵対者が管理するアプリケーション」としては、TikTok及びByteDanceが具体的に明記され、またそれ以外のアプリケーションについても発動できる建付けとなっている。いずれにしても、秋に予定されている米大統領選挙までは運営禁止にはならず、次期政権が施行を最終判断できるスケジュール設定となった。そのため選挙対策ともみられている。

 これに対し、シンガポール出身のTikTokのShou Chew CEOは4月25日、声明を発表。同法を違憲とし、提訴すると表明した。

 また米アップルは4月19日、中国国内のApp Storeからメタ・プラットフォームズが運営するWhatsAppとThredsを削除し、ダウンロードできなくなった。背景には、中国当局から「国家安全保障上の懸念」を理由に、同社に削除を指示したとみられている。米国でのTikTok禁止の報復と考えられる。

【参照ページ】H.R.815 - Making emergency supplemental appropriations for the fiscal year ending September 30, 2024, and for other purposes. 【参照ページ】Statement on Enactment of the TikTok Ban

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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