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【アメリカ】EPA、2027-2032排ガス基準最終決定。2032年にEV比率30%から56%想定

 米環境保護庁(EPA)は3月20日、2027年から2032年の新車モデルに適用する新たな排ガス基準の最終ルールを公表した。2023年4月に原案を発表しており、約1年をかけて最終決定した。

【参考】【アメリカ】EPA、2027年から2032年の自動車燃費基準案公表。小型車で46%減。EVシフト加速(2023年4月13日)

 まず、小型車(乗用車・バン)に対しては、走行距離当たりの二酸化炭素排出量(燃費基準)を、2027年の1マイル当たり139gから2032年には1マイル当たり73gへと厳格化していく。小型トラックでも同様に、2027年の1マイル当たり184gから2032年には1マイル当たり90gへと下げる。原案との比較では、2032年時点での基準を、小型車は据え置き、小型トラックは89gから90gへと緩和。また2027年時点の基準を小型車で134gから139gへ、小型トラックで163gから184gへと緩和し、2032年に近づくにつれ削減率の傾斜が激しくなっていく。

(出所)EPA

 中型車に対しては、バンとピックアップ・トラックにわけた上で、全体としては、2027年の1マイル当たり461gから2032年には1マイル当たり274gに下げていく。こちらも同様に2027年の水準を緩和しつつ、2032年の水準は原案を維持し、徐々に削減ペースを上げていく軌跡を描いた。

 今回の新基準により、現行の2026年基準との比較では、2032年時点で、小型車の平均二酸化炭素排出量が約50%、中型車で44%削減することになる。別途PM肺気基準も発表されており、PM排出量も95%以上削減することになる。

 今回の基準強化による社会的便益としては、大気汚染緩和による公衆衛生上の効果で年間130億米ドル、ドライバーの燃料費と保守・修理費の削減効果で620億米ドルと見積もった。

 EPAは2023年4月の原案策定時に、2032年度の新規販売に占めるEV割合を小型車で67%、中型車で46%と予測。また燃料電池(FCV)やプラグインハイブリッド車(PHV)についても市場が伸長すると見立てていた。内燃機関自動車については、2032年までには実際に数多くの自動車が依然として走行しているだろうとの考えも示し、そのため、EPAは、PM排出を低減するためのフィルターの普及や、ガソリン車に対する二酸化炭素削減技術の普及を促進するとも予測していた。

 今回の発表では、特に2027年から2029年の基準値を緩和することで、クリーンカーへの転換に時間的猶予を与えたと説明。2027年以降の基準の達成経路については、内燃機関の改善、ハイブリッド車(HV)、プラグイン・ハイブリッド車(PHV)への転換、電気自動車(EV)への転換等からメーカーが戦略的に考えていくことになるとした。2030年から2032年の期間では、小型車と小型トラックでEV比率が30%から56%、中型車で20%から32%になると予測した。

 EPAは年間販売台数5,000台未満の小規模メーカーに対する特例措置も用意していく考えで、現在詳細を検討中。またプラグイン・ハイブリッド車でのバッテリーの耐久性や保証要件と、中型車のガソリン・ディーゼル給油時の排出対策についても新基準を策定していく。

【参照ページ】Biden-Harris Administration finalizes strongest-ever pollution standards for cars that position U.S. companies and workers to lead the clean vehicle future, protect public health, address the climate crisis, save drivers money

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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