森林保護推進の国際NGO森林管理協議会(FSC)は5月4日、シンガポール食品大手オーラム・インターナショナルがガボンで高保全価値(HCV)の森林の破壊に関与している可能性があり、調査を開始したと発表した。国際環境NGOマイティー・アースが同問題を追及していた。
オーラム・インターナショナルは2011年にガボンでのパーム油農園開発をスタート。マイティー・アースは2016年12月、オーラム・インターナショナルが東南アジアとガボンで熱帯雨林を伐採し、パーム油やゴム農園開発を行った調査レポートを、ガボン人のゴールドマン賞受賞者マーク・オナ氏と発表。FSC基準違反としFSCに申し立てを行った。FSCは、規定にある公式調査ではなく、FSC、オーラム・インターナショナル、マイティー・アースの3者での裁判外紛争解決手続を選択し、調停プロセスを開始した。
2017年1月31日には、世界資源研究所(WRI)が調停人となる形で、オーラム・インターナショナルとマイティー・アースの調停が実施。調停プロセスでは、オーラム・インターナショナルは、ガボンでのアブラヤシのプランテーション開発時に、植林地の58%(25,735ヘクタール)の熱帯雨林を伐採したことを認めたが、二次林が荒廃していたことを理由と主張。調停プロセスでは、マイティー・アースによる現地調査も実施され、オーラム・インターナショナル側が現地での調査を続行し、改善アクションを打つことを約束した。
2018年1月17日には、再び世界資源研究所(WRI)が調停人となる形で、2回目の調停が実施。オーラム・インターナショナルは、ガボンの熱帯雨林のパーム油・ゴム農園開発を1年間停止することでマイティー・アースと合意。パーム油や熱帯雨林保護に関する方針の見直しを行った。2019月には同合意を再度更新し、3年間の開発停止を約束した。
しかし今回ついに、オーラム・インターナショナルが費用負担する形で、FSCの認証審査員(SmartCert)による公式調査が行われることとなった。第1回調査は、アブラヤシ農園を対象。2回目以降はゴム農園も対象となる。オーラム・インターナショナルは、ガボンのパーム油農園4ヶ所で、RSPO認証を取得している。
【参照ページ】Olam International
【参照ページ】‘World’s largest farmer’ faces investigation into deforestation
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