本田技研工業は6月4日、栃木県真岡市のパワートレインユニット製造部で担当してきた四輪車のエンジンやミッションの部品の生産を2025年中に終了すると発表した。海外生産の拡大にあわせ日本の供給量を縮小や、駆動系の構造変化に伴う生産品目の減少を理由とした。
パワートレインユニット製造部は、エンジンバルブの生産からスタートし、クランクシャフトやドライブシャフトなど生産部品を拡大し、本田技研工業のパワーユニットの国内生産を支える存在だった。従業員数は約900名。同社は2017年10月、グローバルにおける四輪車生産体制の見直しを表明しており、今回の決定もその一環。
また同社は5月24日、三菱ケミカル、北海道自動車処理協同組合と共同で、使用済み自動車(ELV)から回収したPMMA(アクリル樹脂)の水平リサイクルで実証実験を2021年8月に開始すると発表した。プラスチックの一つであるアクリル樹脂は自動車のランプカバー等に使われている。従来は、アクリル樹脂の処分はエネルギー回収に留まっていたが、従来品と同等品質の水平リサイクルを目指す。
それと関連し、三菱ケミカルも5月24日、連結子会社の三菱ケミカルメタクリレーツとともに、アクリル樹脂のケミカルリサイクルの事業化に向け、2021 年6月に日本国内で実証設備を建設すると発表した。二酸化炭素排出量の削減が狙い。
アクリル樹脂は、自動車のランプカバー、看板、水族館の水槽、塗料、建材などに幅広く用いられており、その世界需要は300万tを超える。また昨今では、飛沫感染防止用のアクリル樹脂板の需要が世界各地で増加しているという。
三菱ケミカルは、まず欧州で現行のリサイクル技術を導入したアクリル樹脂リサイクル設備建設を検討。日本国内では、アクリル樹脂のリサイクル技術検討のパートナーであるマイクロ波化学と協力。2021年6月完成をメドに同社大阪事業所内に新たに実証設備を建設する。各々、2024年の商業稼働を目指す。
【参照ページ】日本における四輪車部品生産体制の進化について
【参照ページ】アクリル樹脂の水平リサイクル実証実験を2021年8月に開始
【参照ページ】アクリル樹脂ケミカルリサイクルの事業化に向けた実証設備の建設および実証試験の実施について
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