アジアのサステナビリティ投資市場が順調に成長している。The Association for Sustainable & Responsible Investment in Asia(以下、ASrIA)が先月公表した報告書”the 2014 Asia Sustainable Investment Review”によれば、2013年末までに日本を除くアジア諸国のサステナビリティ投資の合計額は449億USドルに達しており、2011年以降、投資総額は年率22%で成長しているとのことだ。
アジア全体の経済成長率は近年鈍化しつつあるものの、それとは対照的にサステナビリティ投資の市場規模は大きく成長していることを示している。
同報告書はASrIAが金融機関大手のクレディ・スイスやFTSEらの支援を受けてアジアにおけるサステナビリティ投資の最新動向を調査したもので、クリーンエネルギー投資、グリーンボンド、環境保全投資、インパクト投資という注目が高まりつつある4つの投資分野も網羅している。調査対象国は中国、香港、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナムの11か国。
同報告書によれば、日本を除くアジア諸国のサステナビリティ投資市場の総額は449億USドルで、2011年以降年率22%のペースで成長しており、市場規模の上位を占める国々の内訳は下記の通りだった。
- マレーシア(34%)
- 香港(25%)
- 韓国(19%)
- シンガポール(13%)
また、2011年以降サステナビリティ投資市場が最も成長している国は下記の通り。インドネシアが最も高い成長率を見せている。
- インドネシア(年率39%)
- シンガポール(年率38%)
- 香港(年率24%)
その他、アジアにおける最新のサステナビリティ投資戦略の特徴は下記の通り。
- 最も一般的なサステナビリティ投資戦略はESG投資(ESG要因の投資基準への統合)で、資産全体の52%に相当する234億USドルを占めている。(ネガティブスクリーニング投資は全体の37%に相当する166億USドル)
- マレーシアとインドネシアにおけるイスラム金融がネガティブスクリーニング投資の総資産に大きく貢献している。
- シンガポール、香港、ソウルのような国際金融センター、そしてマレーシア政府がイスラム金融市場の拡大を支援しているクアラルンプールが調査回答者の大部分を占めており、資産全体の90%を占めている。
- 気候変動は投資家にとって重要課題であり、特定の環境課題に対する投資の重要性が高まっている。回答者の62%が2年以内に気候変動リスクはより重要となると回答している。
2013年にはアジア開発銀行や韓国の政府系金融機関KEXIM(韓国輸出入銀行)がアジア地域で初となるグリーンボンドを発行したほか、中国やインドネシアなど各国政府もグリーン投資イニシアチブを開始するなど、サステナビリティ投資の裾野は欧米だけではなくアジアにおいても確実に広がりつつある。レポートは下記からダウンロード可能。
【レポートダウンロード】the 2014 Asia Sustainable Investment Review
【団体サイト】The Association for Sustainable & Responsible Investment in Asia
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