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【ヨーロッパ】CDP、気候変動規制への対応力がある電力会社を発表 2015/05/22 最新ニュース

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 気候変動問題に取り組む国際NPOのCDPは4月30日、欧州の電力会社をいくつかの温室効果ガス排出量関連の指標に基づいてランク付けした報告書、”Flicking the switch: are electric utilities prepared for a low carbon future“を発表した。

 同報告書はCDPの「気候変動」アンケートに対する電力会社の回答に基づきまとめられたもので、今後上昇するとされる炭素価格への対応力、再生可能エネルギーへの転換力、石炭および水のリスクにさらされている水準などの要素を評価している。評価の対象となったのは、欧州の発電量の80%を占める電力会社37社。

 CDPの議長を務めるPaul Dickinson氏は「この調査は、投資家が電力会社とエンゲージメントを行っていく上で必要となるマテリアルな課題に関連するデータを提供するものだ。石炭への依存度が相対的に低く、再生可能エネルギーへの転換に注力している企業がランキングの上位を独占しており、世界の大手機関投資家は既にこうした企業をポートフォリオに組み入れている。電力会社がいかに規制へ対応し、未来の技術に投資していくかは今後の業績にも大いに影響していく」と述べた。

同調査結果のランキングおよび主な考察は下記の通り。

  • 1位に輝いたIberdrolaは全指標において唯一AないしBのグレードを獲得できた電力会社であり、積極的にガス・石炭から再生エネルギーによる発電への転換を図り世界をリードしている。2013年には総生産量の26%が再生可能エネルギーによる発電となっており、石炭はわずか9%。
  • 2位と3位に躍り出たイギリスのCentricaとオーストリアのVerbundは発電量で最も小規模であるものの、温室効果ガス排出量単位、総発電量に占める石炭による発電量ともに最も低い電力会社である。
  • 安価な石炭および炭素価格により石炭生産量が2010年~2013年の期間で増加し、電力会社の発電過程における温室効果ガス排出量の7割が石炭によるものとなっている。
  • 再生可能エネルギーの中で最も使用されているのは風力発電であり、再生可能エネルギーによる総発電量の87%を占める。

 2月の自動車業界に引き続き行われた今回の調査は、業界別に最もマテリアルな指標を特定し、業績との関連性を明らかにすることを目的としてCDPが行っている業界別分析の一環。各指標の透明性が高く、投資家が嗜好によってウエイトを調節できるようになっている点が特徴だ。

 今や総資産95兆米ドルを占める機関投資家が参画し、その影響力を高めているCDP。今回調査対象となった欧州に比べて気候変動への対応が遅れている他国の電力会社にもどれだけのインパクトを与えられるのか。今後のさらなる調査に期待がかかる。

【レポートダウンロード】Flicking the switch: are electric utilities prepared for a low carbon future
【参照リリース】Carbon price shift could have significant earnings impact on major european utilities
【団体サイト】CDP

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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