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【フランス】大手スーパーの食品廃棄を禁止、寄付・転用を義務化へ

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 フランスで、廃棄物削減と貧困層支援という2つの社会課題を同時に解決するための法律が生まれた。フランス議会は5月21日、大手のスーパーマーケットらに対して、売れ残った食品の廃棄を禁止する法案を満場一致で可決した。

 英ガーディアン紙によると、今後フランスの大手スーパーらは売れ残った食品を廃棄する代わりに貧しい人々への食料配給を行っている慈善団体に寄付するか、家畜用の飼料や堆肥へ転用することが義務付けられるという。また、400平米以上のスーパーについては来年7月までに食品寄付を行う慈善団体と契約を締結する必要があり、さもなければ最大75,000ユーロの罰金もしくは2年以下の懲役を課されるという。

 英国では既に政府と食料品・小売業界の間で食料やパッケージの廃棄物削減に向けた自主的な合意がなされているが、今回のフランスの法律はその更に上を行く罰則つきの義務となっている。

 現在フランス人1人当たりの1年間の食品廃棄量は20~30キロで、そのうち7キロは未開封のまま廃棄されているという。これらの廃棄コストは最大で年間200億ユーロに上るとのことだ。フランス政府は2025年までに食品廃棄量を半減させることを目指しており、今回の法案可決はその目標達成に向けた大きな一歩となる。

 同法は廃棄量の削減と慈善活動を両立させる優れたアイデアだと言えるが、当事者の大手スーパーや市民団体からは反対意見も挙がっている。大手スーパーらは、フランスの食品廃棄のうち大手スーパーが占める割合は5%しかなく、規制の対象が適切ではないと主張している。フランスでは食品廃棄の67%が消費者、15%がレストラン、11%が店舗から出るものだという。

 また市民団体からは、この法律は食品業界全体が抱えている過剰生産や流通上の廃棄といった根本的な問題の解決にはつながらないにも関わらず、大手スーパーらの間では法律に従うだけで十分だという認識を生んでしまうという懸念の声も挙がっている。

 今回の法案が廃棄物削減、貧困層の食料問題解決といった課題にどのようにポジティブな結果をもたらすのか、今後の大手スーパーらの取り組みと対応に注目が集まる。

【参考サイト】France to force big supermarkets to give unsold food to charities

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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