サステナビリティ投資格付大手のRobecoSAMは7月8日、世界の水市場の見通しについてまとめた報告書、"Water: the market of the"を公表した。同報告書では、世界の水市場は2025年までに1兆米ドルに到達すると予測しており、鍵となるメガトレンドとして人口構造の変化、インフラの老朽化、水品質基準の向上、気候変動の4つを挙げられている。
RobecoSAMは、こうした水課題の解決に関する市場機会にいち早く反応して資本を投下する企業は競合優位性を獲得し、大きな事業リターンが得られると予測している。また、長期志向を持ち合わせた投資家も水バリューチェーンに紐づく魅力的な投資機会から多くの利益を得られると指摘している。
RobecoSAMによると、1992年から2014年までの過去22年間で一人あたりの再生可能な水の量は28,377㎥から19,804㎥まで約40%も減少しているという。人口増加や都市化、工業製品の増加が水需要を加速させており、エネルギー政策の状況次第では2035年までにエネルギー生産のための水使用量が20~30%も上昇すると見込まれているとのことだ。安全かつ十分な量の水確保は世界共通の喫緊課題であり、革新的なソリューションが求められている。
同社は、この水問題解消のためには水資源の更なる効率的な活用、水質の向上を実現できるようなイノベーションが必要であり、それらが2025年までに1兆米ドルの水市場を生み出すと予測している。
RobecoSAM でサステナビリティ投資R&Dの責任者を務めるDaniel Wild氏は「世界経済の困難とは裏腹に水関連市場は急成長しており、それは次の2つの鍵となる発展により牽引されている。一つ目は、水資源不足はもはや問題を放置するコストが解決に必要となるコストを上回っているという点だ。二つ目は、現在この市場には高い流動性があり、投資家らが水業界、特に水インフラ事業などに特徴的なように、着実な利益が見込めてかつリスクがしっかり管理されている投資機会を求めている点があげられる」と語る。
報告書の中で、RobecoSAMは特に魅力的な投資分野として下記4つを挙げている。
- ユーティリティ:家庭・企業・産業への水供給・排水処理などを担うインフラ企業。
- 資本財・化学:水関連部品、浄水薬品、灌漑システムなど水関連設備の製造企業。
- 建設・素材:水パイプラインなど、企業や地方自治体などの水インフラ建設に関わる企業。
- 品質・分析:水質管理・モニタリング関連製品・サービスの提供企業。
RobecoSAMは今後5年間で水業界の平均成長率は年間5~6%を記録すると予測しており、特定分野では更に早い成長が見込まれるとしている。急速な需要増加に対して供給が追いつかず、世界的に喫緊のサステナビリティ課題となっている水問題だが、それらは同時に長期的に見て絶好の投資機会でもある。
【レポートダウンロード】Water: the market of the
【参照リリース】RobecoSAM forecasts global water market rebound
【企業サイト】RobecoSAM
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