【国際】ATAG、世界の航空業界の気候変動アクションをまとめた報告書を公表 2015/11/03 最新ニュース

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 航空業界のサステナビリティを推進するグローバル連合のAir Transport Action Group(以下、ATAG)は9月29日、航空業界における気候変動への取り組みをまとめた報告書、”Aviation Climate Solutions“を公表した。同報告書は世界65ヶ国、400団体以上の炭素排出削減プロジェクト事例を取りまとめたもので、世界中の空港で進んでいる太陽光発電の導入から最新の航空機デザイン、鉄鋼所の廃棄ガスで作られた航空燃料にいたるまで、エネルギー効率を向上させ、気候変動への影響を減らすための様々な取り組みが紹介されている。

 同報告書によると、現在世界では100以上の空港で太陽光発電が導入されており、電力需要の一部を賄っているとのことだ。また、過去15年間で8300以上の運航機にウイングチップデバイスが取り付けられ、約5600万トンのCO2が削減されたほか、持続可能な代替燃料の活用や投資、座席のスリム化などによる機体軽量化なども積極的に進んでいるという。

 同報告書の公表にあたり、ATAGにてエグゼクティブ・ディレクターを務めるMichael Gill氏は「最も印象的なのは、効率化を支援するために業界のパートナー間で非常に数多くのコラボレーションが実現していることだ。アクションは世界中のあらゆる場所で起こっており、大組織だけではなく新興国のパートナーを通じても起こっている」と語り、企業・組織間の協働による取り組みを高く評価した。

 また、同氏は「重要なことは、同報告書は2008年のグローバル・サステナブル・航空業界サミットにおいて公表された気候変動枠組みを通じた目標の達成に向けて航空業界がどのように取り組んでいくかについて示していることだ。新技術への投資や航空機運航の効率化、よりよいインフラの構築を通じて、航空業界は燃料効率を年間1.5%ずつ改善するという目標以上の進展を見せている」と語る。

 2008年、航空業界は初めて気候変動の影響を抑えるためのグローバル目標を自主的に設定した。同業界は「カーボン・ニュートラル成長」というコンセプトに基づき、2020年以降のネットCO2排出量を業界の成長に関わらず一定に抑えるという目標を掲げている。新興国の経済発展や経済のグローバル化により航空運航に対する需要がますます高まる中、業界の成長によるCO2排出量の増加分すべてをオフセットするという野心的な目標だ。また、長期的に目標としては2050年までにネットCO2排出量を2005年の半分にすることを目指している。

 目標を達成する上で鍵となる取り組みの中には持続可能な代替燃料の開発、機体や設備の軽量化による運航効率の上昇、機体および部品の双方における新技術の開発、空域および誘導におけるシステム改善などが含まれる。

 今後も経済のグローバル化に伴い航空産業の需要は増加し続けることが予想される中、同業界には積極的にサステナビリティを推進している企業がとても多いのが特徴だ。例えば航空機製造のボーイングはタバコから持続可能なバイオ燃料を開発するという革新的なプロジェクトなどを展開しており、ユナイテッド航空も今年の6月には持続可能なバイオ燃料の開発企業に3000万米ドルを投資すると発表した。ほかにも、サウスウェスト航空は座席の使用済シートをアップサイクルする取り組みを進めており、LCCのジェットブルー航空は機内食のサステナビリティ向上に取り組んでいる。さらに、今年の9月にはインドのコーチン国際空港が世界で初めて100%太陽光発電だけで運営を賄う空港になるなど、空港による革新的な取り組み事例も多い。

 航空業界のサステナビリティ推進事例からは、他業界の企業も学ぶべき点が多い。興味がある方はぜひ報告書を確認して頂きたい。

【レポートダウンロード】Aviation Climate Solutions
【参照リリース】New Report Showcases Climate Action in the Aviation Sector
【団体サイト】Air Transport Action Group

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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