2015年末、中国では相次いでCSRに関する報告が発表され、総じて厳しい評価の内容が告げられた。中国政府は中国企業のCSRは遅れていると判断しており、質の向上を促すために最近厳しい内容の報告が相次いでいる。
中国証券監督管理委員会上海管理監督局、上海証券取引所、新華社上海支社、新華ネット、中国金融情報センター、上海上場企業協会、上海証券報、中国社会科学院経済学部企業社会責任研究センターは12月21日、「上海上場企業CSRサミット」を開催した。サミットでは、企業社会責任センターが編纂した「上海上場企業社会責任青書(2015)」と同時に、「上海上場企業社会責任発展指数(2015)」も発表された。
発展指数においては、上海上場企業の平均は100満点で22.8と低く、半数以上の企業が20以下と厳しい評価を下した。テーマごとでは、科学技術イノベーション、IRは比較的良いが、コンプライアンス、環境保護、責任管理、サプライチェーン管理においては内容に差が激しいと分析。業界傾向では、金融、医薬品業界は平均30以上と比較的優れていたが、賃貸不動産、サービス業、農林水産畜産業は平均が10以下と低かった。また、大企業より中小企業、深圳市場上場企業より上海市場上場企業、B株企業よりA株企業のほうが平均点が高かった。情報開示の分野では、3割強の企業がCSR報告書を発表している一方、3割弱の企業がホームページにCSRコーナーがなかった。サミットでは、優良企業の表彰もあり、上海汽車グループ、浦発銀行、東方航空、上海医薬、宝鋼グループが傑出企業賞を獲得、上港グループCEO、上海石化CEO、大衆公用・大衆交通CEOが傑出企業家賞を獲得した。
同日、中国企業管理研究会の社会責任専門委員会と北京融智企業の社会的責任研究所が共同で編集した「中国上場企業社会責任能力成熟度報告(2015)」も発表された。この報告は上海・深圳上場企業1000社を対象とした調査で中国史上最大規模CSR状況のレポートだ。CSR理念及び戦略、CSR推進マネジメント、経済価値創造能力、社会価値創造能力、環境価値想像能力、経営透明性の6項目で評価され、無能レベル、弱能レベル、本能レベル、強能レベル、超強能レベルの6段階にわけられる。上海深圳インデックス300(CSI300)企業の平均は35.43しかなく、全体として弱能レベルであり、非常に憂うレベルだと総括された。CSI300採用企業のうち、超強能レベルと強能レベルの評価を受けた企業は12社しかない一方、無能レベルは113社だった。
さらに12月22日、国務院国有資産監督管理委員会、民政部、人力資源社会保障部、国家品質監督検査検疫総局、国家安全生産監督管理総局のなどの支持の下、新華ネットと中国社会科学院経済学部企業社会責任研究センターなどが共同で、北京で「2015年中国社会責任公益盛典」を開催し、同時に「中国企業社会責任報告白書(2015)」の発表もなされた。同白書の発表は5年目で、今年は1,703社のCSR報告書を対象とし、報告書非公開企業を除く1,027社の報告書の分析をまとめている。白書はCSR報告書のページ数において50ページ以上のものが26%しかなく、6割の企業が30ページ以下で、情報公開はまだまだ不足していると認識を示した。
【参照URL】上海发布上市公司企业社会责任蓝皮书
【参照URL】蓝皮书:仅三成上海上市公司发布社会责任报告
【参照URL】中国上市公司社会责任能力成熟度堪忧
【参照URL】中国企业社会责任白皮书发布
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