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【国際】熱帯雨林に住む先住民の土地の権利保護に対する認識に課題。RPI調査 2016/03/01 最新ニュース

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 先住民の土地権利保護に取り組んでいる米国のNGO、Rights and Resources Initiative(以下、RRI)は2月3日に公表した世界の森林および先住民の権利の保護状況に関する年次報告書によると、世界の熱帯雨林の保護は気候変動対策において非常に重要だという国際的合意がある一方で、森林地帯に住む先住民の権利に対する認識の広がりはペースダウンしていることが分かった。

 とりわけ、インドネシアやインドなどの主要な国々は重要な分岐点に立っているものの、政府省庁や民間セクターの動きが逆風となっており、環境破壊のみならず経済的崩壊の恐れもあるという。

 RRIの調査によると、現在、低・中所得国において先住民・地元住民による熱帯雨林の土地所有率は24%となっており、2003年の18%からは大きな改善が見られたものの、2008年の23%からは7年間で1%しか増加しておらず、その速度は減速しているとのことだ。

 また、RRI およびTMP Systemsが最近公表された2つの森林保護計画(コンゴ民主共和国がドイツの支援を受けて森林の12%~15%を、リベリアがノルウェーからの支援を受けて森林の30%を、それぞれ保護区域にするという計画)を分析した結果、該当エリアを無人にするためには130万人以上の人々が移動を余儀なくされることになるほか、それにかかるコストが過小評価されていたことが分かったという。コンゴ民主共和国は世界で二番目に大きい熱帯雨林を有しており、RRIは環境を維持する先住民の権利を奪わないことが必要不可欠だとしている。

 RRIのコーディネータを務めるAndy White氏は、「国連気候変動パリ会議における合意は、少なくとも書面上では、気候変動対策において森林の価値が極めて高いことを全ての国が認識していることを示している。多くの国々の政府が、最も森林を守ることができる先住民や地域社会の人々の権利を保護する態勢がととのっている一方で、一部の国では森林を保護しつつも先住民の権利を除外するか、もしくはその両方を犠牲にする可能性がある」と語った。

 また、同氏は「我々は今、大きな進歩に差し掛かっている。既存の政策を実施することで、今後数年で100万ヘクタールの土地を先住民のもとに戻し、森林と森林に住むコミュニティを救うことができる。しかし、民間セクターは率先して動く必要がある」と付け加えた。

 RRIは、先住民の権利の拡充に取り組んでいる政府・民間企業に対して様々なツールを2015年に公開している。世界の先住民が所有、活用している土地の情報と地図を表示するインタラクティブなプラットフォーム”Landmark“もその一つだ。

 気候変動対策において森林保護が重要であることは言うまでもないが、今、企業や政府にはそこに住む先住民の人々の権利までしっかりと保護することが求められている。

【レポートダウンロード】Closing the Gap: Strategies and scale needed to secure rights and save forests
【参照リリース】Forests on the brink: Six weeks after COP in Paris, new research finds forest peoples losing ground in key nations—despite proof of their role as best guardians—while other countries are poised to deliver on commitments
【団体サイト】Rights and Resources

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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