アパレル世界大手ヘインズは3月24日、新たに5つの生産工場が「工業のためのエネルギースターチャレンジ(ENERGY STAR Challenge for Industry)」認証を受けたと発表した。この認証は、米国環境保護庁(EPA)が管理している「エネルギースター認証」のひとつ。「工業のためのエネルギースターチャレンジ」は、5年以内に10%以上のエネルギー削減量削減を成し遂げた生産工場やR&D設備に授与される。ヘインズは、すでに23の生産工場でこの認証を受けており、今回の5つの生産工場においても平均18%のエネルギー使用量を削減したと認められた。
今回認証を受けた5つの工場は、ドミニカ共和国、エルサバドル、ホンジュラス、タイ、ベトナムの工場。企業全体のエネルギーマネジメント計画や、従業員主導の省エネアイデア、そして空調等に関する技術改善投資が認証獲得につながった。このように「工業のためのエネルギースターチャレンジ」は、親会社が米国企業であれば、世界中全ての生産工場やR&D施設に対して与えられる。
EPAが管理する「エネルギースター認証」には他に複数の種類があり混乱しやすい。EPAは、「製品」「住宅設備」「新規住宅」「商業ビル・プラント」という4つのカテゴリー全てにおいて「エネルギースター」という名のプログラムを実施している。製品分野では、各電気製品ごとに基準を設け、その基準をクリアすると「エネルギースター」という認証が与えられる。この製品分野の認証は、現在世界9カ国・地域にも輸出展開され、日本では経済産業省が同認証の窓口となっている。「住宅設備」では、住宅の空調設備や照明のエネルギー効率を改善すると「Home Performance with ENERGY STAR」認証がもらえる。「新規住宅」分野では、エネルギー効率の基準をクリアすると「エネルギー認証付新規住宅」として認められる。ヘインズが今回授与した「工業のためのエネルギースターチャレンジ」は、最後の「商業ビル・プラント」分野のもの。商業ビル、工業プラントなど種類別に「エネルギースター認証」が定められており、これらは米国内の施設に対して授与される。一方、それとは別の「工業のためのエネルギースターチャレンジ」は国を問わず認証が付与される。
ヘインズの特徴的な点は、他のアパレル業者とは違い生産サプライチェーンの大多数を自社保有している点にある。一貫した環境対策を打ちやすく、エネルギースター認証を数多くの生産工場で獲得できている秘訣にもなっている。同社は2007年比でエネルギー使用量を23%、水使用量を31%削減した。さらに、同社が世界中で使用しているエネルギーの4分の1は水素、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーで賄われてもいる。同社は、気候変動対策に向け、経営陣からプラント従業員まで環境意識が徹底できているという。
【参照ページ】HanesBrands Has Five Additional Manufacturing Plants Achieve U.S. EPA Recognition for Energy Efficiency Gains
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