国際的なサステナビリティ報告基準策定のGRIは5月19日、サステナビリティ報告書の構造化とデジタル化に向けた最新テクノロジーイニシアティブを発表した。同イニシアティブは、XBRL(eXtensible Business Reporting Language)とデジタル化に適したプラットフォームを採用し、報告書のデジタル化に向けた技術インフラを構築するという内容。XBRLとは、企業が財務諸表などのビジネス文書を電子化する際に、データなどを分析・比較しやすくするために用いられるマークアップ言語のことを指し、XMLの規格をベースに作られている。データ項目ごとに特定のタグをマークアップすることで、異なる複数の文書の中から共通データ項目を検索、取得することが容易になる。
このイニシアティブの背景には、サステナビリティが企業、政府にとって欠かせないファクターとなりつつある一方で、サステナビリティに関する情報が十分に活用できていないことがある。透明性や情報開示の必要性に迫られる中で、企業や政府向けにサステナビリティの年次報告書などにおいて統一的な規格、フレームワークを開発し、サステナビリティの年次報告書の作成を容易にし、誰もがサステナビリティについての情報に容易にアクセスできるような環境を構築していく。
GRIは、IT業界のリーダーたちを集めた「GRIテクノロジーコンソーシアム」において、サステナビリティに関するデータと情報の活用の推進に向けて以下の提言を行っている。
- ステークホルダーの意思決定を迅速、容易にするために、年次報告書のアクセス可能化
- データ比較できるような統一的なフォーマットと情報分類の使用
- 全てのステークホルダーが分析、比較、ベンチマークが可能となるために、サステナビリティに関するデータのオープン化
- データ活用や意思決定の最適化のための既存のソリューションの磨き上げ
- 単独ではなく、様々な業界の専門家と提携
GRIは、サステナビリティの活用を推進するためにはコラボレーションが欠かせないと考えている。現在、数多くの業界をリードする企業がGRIとパートナーシップを結んでおり、DECCおよびEUの気候変動イニシアティブであるClimate–KIC、ESG投資格付機関大手のRobecoSAM、インドのIT最大手タタ・コンサルティング・サーシズ(TCS)、企業評価プラットフォームのWikirate、企業向けレポーティング・ソリューション大手のWorkviaなどがGRIとパートナーシップを結んでいる。
【参照ページ】GRI launches Digital Reporting Alliance
【機関サイト】The GRI Technology Consortium
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