国際自然保護連合(IUCN)の種の保存委員会(SSC)と世界保護地域委員会(WCPA)は11月4日、生物多様性の保全の鍵になる重要な地域(Key Biodiversity Area; KBA)を指定するためのガイドライン「Global Standard for the Identification of KBAs(略称KBAスタンダード)」の初版を発表した。このガイドラインは、生物多様性保護地域を指定する各国行政当局や国際機関、NGOなどを対象としている。
ICUNは、2004年バンコク会議で加盟国が「各国が生物多様性重要地域を指定するための手法を世界で協議していく」ことを採択して以来、種の保存委員会(SSC)と世界保護地域委員会(WCPA)により国際基準作りが進められてきていた。両委員会では、生物多様性に関連する数多くのガイドラインや採択を参照し、全体をカバーできる国際基準を今回発表した。参照されたものには、国際環境NGOのバードライフ・インターナショナルが2014年にまとめた「重要野鳥生息地(IBAs)」12,000ヶ所、絶滅ゼロ同盟(AZE)が2005年に定めた地域、国際環境NGOのThe Nature Conservancyが2001年に定めたBランク地域、国際環境NGOのPlantlife Internationalが2004年に定めた「重要植生地域(IPAs)」などがあり、生物多様性に取り組んできた多くの先行イニシアチブを包括している。
今回発表されたKBAスタンダードに記されている内容は、用語定義、基準、閾値、図示等。地球上の海洋、内水、陸地などあらゆる地域で適用できるものとなっている。ICUNは、KBAスタンダードの安定運用のためには継続して使い続けることが重要としつつも、さらなる発展のために一定の期間を経て将来改定することにも言及した。
【参照ページ】A Global Standard for the Identification of Key Biodiversity Areas
【ガイドライン】A Global Standard for the Identification of Key Biodiversity Areas
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