【国際】国際海事機関(IMO)締約国、バラスト水管理スケジュールや硫黄規制強化日程で合意 2017/07/27 最新ニュース

 海運分野の国連機関、国際海事機関(IMO)は7月11日、今年7月3日から5日まで開催された海洋環境保護委員会(MEPC)第71回会合の内容を公表した。今回の会合では、バラスト水管理スケジュールの明確化、二酸化炭素排出量の規制検討、窒素化合物(NOx)排出強化海域の追加してい、特別敏感海域の追加指定、0.5%硫黄規制の導入スケジュール採択等、重要事項が多数決定された。

バラスト水管理スケジュール

 外来種生物の侵入を防止するための船舶バラスト水規制管理条約(BWM条約)が今年9月8日発効することに併せ、条約で規定されたルールを明確にするためのスケジュールを定めた条約改正案の討議が行われた。BWM条約はすでに61カ国が批准、世界の商船トンの68.46%が同条約の管理下に入ることになる。同条約が発効すると、船舶はバラスト水管理に関する新たな規制を遵守する義務が発生する。まず、条約国の全ての船舶はバラスト管理計画を立て、バラスト水記録帳に記録を残さなければならなくなる。また、条約国の全ての船舶は、いわゆる「D-1基準」または「D-2基準」を満たすバラスト水管理義務が課せられる。

 D-1基準は、経過措置として用意され、遠洋でのバラスト水交換という手法を採り量にして95%以上を交換することを定めている。一方D-2基準は、同条約の最終ゴールであるバラスト水管理システムの導入に関する内容で、生物や細菌の含有が許容される数量基準を定めている。今回会合での議題では、D-2基準の適用が義務化されるスケジュールを盛り込んだ条約改正案について話し合われた。条約改正案では、条約発効日後の新規建造船舶では、運用開始日までにD-2基準を満たすバラスト水管理システムの搭載を義務付けている。一方、条約発効日前の現存船舶に対しては、条約発効後の最初の国際油汚染防止(IOPP)証書の更新検査日によって対応が分かれ、2019年7月8日以降に第1回更新検査日を迎える場合は第1回更新検査日までに、2017年7月8日から2019月7月7日までに第1回更新検査日を迎える場合は、その次の第2回更新検査日までにバラスト水管理システムの搭載が義務付けられる。国際油汚染防止(IOPP)証書の取得が義務付けられていない船舶も2024年9月8日より前の事務局が定める日までに対応が義務付けられる。これらスケジュールについては今回の会合で合意に達した。また、このスケジュールを正式に盛り込む条約改正案は、条約発効日以降に回覧され、来年4月に開催予定の第72回会合での採択を目指す。

船舶用燃料油の硫黄含有量規制

 IMOは、2005年5月に船舶用燃料油の硫黄含有量規制を定め、度々基準値を厳格化してきており、現在は3.5%規制が適用されている。今回、目下検討中であった0.5%規制の導入時期を2020年1月1日とすることで大筋合意に至った。この実現に向け、2018年後半に国際ワーキンググループ会合を開催する。

汚染防止

 新たに北海とバルト海を「排出規制海域(ECA)」に指定し、窒素化合物(Nox)の規制値が強化することが決まった。両海域のECA指定は2021年1月1日に発効する。

二酸化炭素排出量削減

 IMOは、前回の第70回会合で二酸化炭素排出量削減ロードマップを採択しており、2018年までに具体的な削減戦略を立案することになっている。今回の会合では、事前に開催されたワーキンググループでの討議を踏まえ、戦略文書に盛り込むべき内容について確認がなされた。今年10月に2回目の、来年4月には3回目のワーキンググループが開催され、来年4月18日までに戦略文書案がまとめられる。

北極海域での重油使用

 重油の使用と運搬のリスク削減のための手法開発プログラムの中で、北極海域での重油使用についても討議していくことが決まった。さらに、次回の72回会合で北極海域での重油使用がアジェンダとして取り扱われることも決めった。

特別敏感海域の追加指定

 フィリピンの南西部にあるパラワン島付近に指定されたトゥバタハ岩礁海中公園を新たにIMOでの特別敏感海域(PSSA)に指定することが決まった。特別敏感海域に指定されると、特別な環境保護措置である「関連保護措置(APM)」が取られる。

【参照ページ】International Maritime Organization moves ahead with oceans and climate change agenda

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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