中国商務部直属の中国五鉱化工進出口商会(CCCMC)は10月23日、国際NGOグローバル・ウィットネスの協力の下、天然ゴムのサステナビリティを向上させる「持続可能な天然ゴムガイドライン」を策定、発布した。中国五鉱化工進出口商会は、金属や化学業界が加盟する業界団体で1988年に設立。現在6,000社以上が加盟しており、会員企業の輸出額は、中国の金属・化学業界の約30%を占める。会員企業のうち輸出額上位250社は、中国全体の輸出額の上位500社に入る。
天然ゴム生産事業は、森林伐採等の環境破壊、地域コミュニティへの悪影響、先住民の権利(FPIC)侵害等が指摘されており、とりわけ天然ゴムの世界的産地である東南アジアではNGOが監視の目を光らせている。国際NGOグローバル・ウィットネスもその一つで、ベトナムの大手天然ゴム事業者に対する激しい非難を近年実施している。グローバル・ウィットネスは、一大産業地帯である中国産業界と手を組むことで、世界的なガイドラインを作り上げた。ガイドライン作成には4年の歳月をかけ、パブリックコメントも募集した。
同ガイドラインに記載されている内容は、主に、
- 土地や天然資源に関する地域コミュニティの権利の尊重と保護。先住民の権利(FPIC)も含む
- 負のインパクトを確実に提言するための包括的な環境・社会インパクトアセスメントの実施
- 生物多様性と原生林を保護するための「森林破壊ゼロ」方針の採択
- 地域社会への苦情処理メカニズムの確立と補償措置の確実な遂行
グローバル・ウィットネスのAli Hines氏は「実際のインパクトを起こすためには企業がこのガイドラインを受け入れなければならない」とし、今後、グローバル・ウィットネスが糾弾の対象としてきたベトナムの天然ゴム大手に対しても同ガイドラインの受け入れを迫る考え。
【参照ページ】CHINESE INDUSTRY TAKES BOLD STEP TO TACKLE LAND GRABS WITH LAUNCH OF NEW RUBBER GUIDELINES
【参照ページ】《可持续天然橡胶指南》在越南胡志明市正式发布
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